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なぜ、謎の「クラフト〇〇」が増えているのか 大企業が次々に参入する理由

ITmedia ビジネスオンライン / 2024年10月16日 10時29分

 クラフト餃子フェスを主催するLAF Entertainment(東京都港区)によれば、「クラフト餃子」とは、餃子の食材選びや製造過程において、全国の餃子職人が皮、餡、タレなど、一つ一つにこだわり抜いて完成させた餃子のことだという。

 いや、もちろん難癖をつける気などさらさらない。フェスの性格を示した素晴らしいネーミングだと思うし、誰かが迷惑するものでもないのでこの名称をどんどん広めていただきたいと思う。しかし、その半面で「餃子ってだいたいの店は食材や製法にこだわってつくるよなあ」と思ってしまう自分もいるのだ。

 これが「アリ」ならば、クラフトカレー、クラフトラーメンなどなんでもいけてしまう。と思ったら案の定、調べてみたら既にそのようなことを提唱している店、専門家がいらっしゃる。しかも、大企業も便乗済みで、エスビー食品(東京都中央区)は2024年8月、スパイス専門家監修のもと「S&B CRAFT CURRY 中辛」という新商品を発売している。

 そう、もはや「クラフト」というのは好む好まざるとに関係なく、人間が口に入れるあらゆるものに適用される万能ワードになっていたのである。それがうかがえるのが飲料や料理だけではなく、「食材」であるはずの「肉」「魚」「牛乳」にまでその流れが及んでいるということだ。

●「クラフトミート」と呼ばれる熟成肉も

 まず、肉好きの人たちの間では「クラフトミート」という言葉が広まっている。よく言われるように肉は魚と違って、新鮮だからいいというものではなく、手間暇かけて「熟成」させたものがうまい。その職人の技を用いた熟成肉のことを「クラフトミート」と呼ぶのだ。

 全国にそのような熟成肉を扱う精肉店や飲食店が増えているが、中でも有名なのが東京・赤羽にある「CRAFT MEAT&LAB」だ。肉を乾かすことが趣味というオーナーが日々、うまい熟成肉を探求する文字通り「研究所」だ。ECサイトには『1頭買いした牛・豚に「菌による成熟・水分・温度・酸化コントロール」を注いだ“クラフトミート”を生産している』とある。

 「クラフトミート」があるのなら当然、「クラフトフィッシュ」もある。陸上養殖の産業化を目指している「さかなファーム」(東京都新宿区)は2020年9月、養殖魚の魅力を伝えるマーケットプレイス「CRAFT FISH」をオープンした。これをブランド名にして陸上・海上問わず、さまざまな養殖水産品を販売しているのだ。

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