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なぜ、謎の「クラフト〇〇」が増えているのか 大企業が次々に参入する理由

ITmedia ビジネスオンライン / 2024年10月16日 10時29分

 つまり、われわれが今「伝統の味だなあ」と喜んで食べている「手打ちそば」は、たかだか50年前の「手打ちそばブーム」という、いわば「クラフトブーム」によって定着した新しい食のスタイルなのだ。

 ということは、これまで紹介してきた数々のクラフト食品、クラフト食材だって消費者に受け入れられ、いつの間にやら「定番」のポジションにつく可能性もあるということだ。

●既に成功している大手企業も

 クラフト餃子やクラフトフィッシュの刺身をさかなにクラフトビールを飲み、時にはクラフトミートの焼肉を堪能、シメにクラフトラーメン……。そんな「職人のこだわり」「手づくり感」にこだわった「クラフト専門レストラン」が至る所に増えていくかもしれない。

 そうなると大企業チェーンも「便乗」していくだろう。既にそれで大成功しているところもある。うどんチェーンを展開する丸亀製麺(東京都渋谷区)だ。

 今オンエアされているCMで「丸亀製麺には、すべての店に麺職人がいる。」というキャッチコピーを押し出しているように、丸亀製麺は各店ごとに熟練の職人(麺職人)を配置しているのが特徴だ。そのような意味では、「クラフトうどん」のチェーン化に成功しているといってもいいだろう。

 このような「クラフト感訴求の成功モデル」をパク……ではなく、参考にする大手外食チェーンもあらわれるかもしれない。例えば、従来のファミレスより職人的なこだわりを強めた「クラフトファミレス」。あるいは、手間暇かけた熟成肉や稀少な高級肉しか使わない「クラフト牛丼」――。

 「バカバカしい」と笑う人も多いだろうが、これまで見てきたように、「職人のこだわり」という付加価値を示す「クラフト◯◯」は言ったもの勝ちの側面もあり、消費者が食い付けば、大企業はスピード感をもって便乗してきた、という動かし難い事実があるのだ。

 クラフトミートを用いた職人こだわりのハンバーガーを、クラフトコーラで楽しむ「クラフトマクドナルド」なんて冗談みたいな店が、いつの間にか始まっているかもしれないのだ。

(窪田順生)

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