ナイキ「オワコン化」の足音 株価急落、新興シューズメーカーが影
ITmedia ビジネスオンライン / 2024年10月16日 8時15分
ナイキの株価は低迷(写真はイメージ)
ナイキの株価が冴えない。
米ニューヨーク証券取引所に上場するナイキの株価は年初来でマイナス24.2%を記録している。同期間にS&P500指数が21.26%も上昇したことを踏まえると、ナイキは米国経済の堅実な成長に取り残されているようにみえる。
この不調には複数の要因が絡んでいるようだ。ナイキが10月1日に発表した2025年度第1四半期決算によると、競争の激化や世界的な経済環境の変化に苦しんでいる様子がうかがえる。同社の売上高は116億ドル(約1.73兆円)にとどまり、前年同期比で約10%減少した。
●“お手本”のD2Cが不調
事業部門別でみると、特にD2C事業である「NIKE Direct」部門の減収が目立つ。同部門の売上高は47億ドルで前年同期比で13%のマイナスとなった。
ナイキのD2C事業は、コロナ禍中は巣ごもり需要の中で躍進し、全体の売り上げを牽引(けんいん)していたため、他のメーカーも見習うべき”お手本”としてもてはやされた。しかしここにきて消費者の購買行動が変化し、これまでの成長を牽引してきたはずのデジタル販売のチャネルで不振が際立っている。
問題はそれだけではない。ナイキの地域別売上高をみてみると、北米、欧州、中東、アフリカといった全ての地域で前年同期比マイナスを記録している。ナイキ製品が売れにくくなっているのは特定の地域の不調ではなく、全世界的なものなのだ。
結果、ナイキの純利益は前年同期比で-21%となる大幅減益となった。黒字ではあるため、直ちに倒産や経営危機になるような事態ではない。インフレが続く中で、ナイキは地道に製造、物流コストを削減しているが、これは売り上げ減少を完全に補うものではなかった。加えて、競争激化によるブランドマーケティング費用の増加も利益率を押し下げている。
●「オン」「ホカ」 新興メーカーが北米を席巻
地域別で減収が最も顕著だった北米市場では、新興のシューズメーカーが注目を集めている。
ナイキが利益率を押し下げてでもマーケティング費用を増加させたのは、競合他社との激しい市場争いが背景にあると考えられる。かつて、ナイキといえばアディダスやプーマが競合の筆頭であった。スポーツの文脈ではアシックスなどと鎬(しのぎ)を削っていたが、ここにきて「オン」「ホカ」という耳慣れない謎のブランドの台頭も見逃せない。
「オン」(On)と「ホカ」(Hoka)は、どちらもランニング愛好者を中心に人気が高めるシューズブランドだ。ナイキのような大手スポーツブランドに対して独自の強みを持っている。
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