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ハンコをつくっているシヤチハタが、なぜ“尿ハネに会える”商品を開発したのか

ITmedia ビジネスオンライン / 2024年10月18日 8時10分

 そうした日々を送っている中で、同僚がこのようなことを言っていました。「トイレを掃除したはずなのに、なぜか臭う」と。この話を聞いたとき、尿ハネが見えるようになれば、臭いの元になる部分をしっかり取り除けるのではないか。いろいろ調べていくと、同じような悩みを感じている人が多いことも分かってきました。であれば「シヤチハタのインキの技術を使って、臭いの元が見えるかもしれない」と考え、開発がスタートしました。

土肥: インキの技術を使えば、臭いの元が見えるかも……という意味がよく分からなかったですが、その前に質問がひとつ。「尿ハネが見えるようになる商品を開発するぞー!」と社内でアピールして、どのような反応があったのでしょうか? というのも、シヤチハタは文具メーカーですよね。開発を目指している商品は、本業とはかなり遠い位置に存在するモノと感じましたので。

南田: 大きく分けて「2つ」ありました。1つは「好意的」な声です。当社はハンコやインキなどをつくってきたわけですが、これまでの延長で商品をつくり続けても、明るい未来が待っているとは限りません。言われたことばかりをやっていればいいという時代でもないので、異分野に挑戦することに対して、好意的な意見がありました。

 もう1つは「否定的」な声でした。尿ハネが見えるというアイデアは「おもしろい」というコメントが多かったのですが、その一方で「汚れはあまり見たくない」という意見もありました。

土肥: ハンコやインキなどをつくっている会社なので「尿ハネが見えるような技術を開発するのは難しい」という意見はなかったのでしょうか?

南田: それはなかったですね(きっぱり)。

●これまでいろいろな商品を出してきた

土肥: 私のような外の人間と、シヤチハタの中で働く人の間で、ちょっと感覚が違うのかもしれませんね。「自分たちは、本業からものすごく離れたモノを開発するんだ」という意識はなかったのでしょうか?

南田: これまでとは違った商品をつくる、という意味では「あえて遠くのモノを狙っていく」といった意識はあるのですが、技術的には「それほど遠くはない」と受け止めていたんですよね。どういうことかというと……。

 ここで、シヤチハタ広報のMさんが登場する。

Mさん: すみません、少し横から失礼します。シヤチハタが尿ハネを可視化する商品を開発したことに驚きを感じられたかもしれませんが、当社はこれまでにもさまざまなモノを世に出してきました。例えば、「stamkey(スタンキー)」。スタンプにQRコードを施していまして、それを読み込むと、会社や個人のWebサイトに誘導できるというモノでした。

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