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「テレワーク可能なのに、あえて出社」 この判断は、経営者の怠慢なのか?

ITmedia ビジネスオンライン / 2024年11月12日 8時0分

 では果たして「テレワークできるのに、させない会社」はこれからの時代に対応できない問題企業で、その経営者は怠慢なのだろうか? テレワークのメリット・デメリットや企業の事例を交えながら、考えてみよう。

●テレワークのメリットとは?

 テレワークの利点は多岐にわたるが、主に次の3点に集約されるだろう。

1. 通勤ストレス低減と生産性向上

 働く人の立場から考えると、何より「通勤が不要になる」ことがテレワーク最大の利点といえよう。従業員の肉体面・精神面双方のストレスが軽減され、健康状態も向上する。通勤時間がなくなることで、従業員はその時間を仕事や家族との時間に当てられるため、生産性の向上も期待できる。

 マイボイスコムがコロナ渦中の2020~2021年にかけて実施した調査によると、テレワークのメリットとして実施者の6割超が「通勤のストレスが減少した」と回答しており、心身の健康にポジティブな影響を与えていることが明らかである。

 さらに、NTTコムリサーチによる調査では「業務の生産性が向上した」と回答した割合は、テレワークをしていない人(8.9%)より、テレワークしている人(24.0%)の方が上回る結果となっている。

2. 柔軟な働き方を実現、採用面での差別化要因

 テレワークは、時間と場所にとらわれずに柔軟な働き方が可能となるため、特に育児や介護を必要とする従業員にとっては大きなメリットとなる。これにより、家族との時間を確保しつつ、業務に集中できるため、ワーク・ライフ・バランスの向上も期待できる。

 回転すしチェーンの銚子丸では、従来は港まで往復6時間かけていた魚の買い付けをオンライン化。水揚げされたばかりの魚をオンライン映像で詳細に確認し、その場で金額交渉をして、従来にないスピード感で新鮮な食材を入手できるようになったことで、育児・介護中の従業員でも中枢で活躍できるようになった。同社はコロナ禍中の2021年5月期第2四半期は前年同期比で39.5%の増益、営業利益率でも前年同期比2.2%増という成果を得ている。

 また、地方や海外からも仕事ができるため、地域にとらわれない優秀人材の確保も可能となる。採用対象者の幅も広がるため、結果として多様性のあるチームを構築できるメリットもある。

3. コスト削減

 テレワークはオフィススペースや電力消費、オフィス運営にかかるコストを削減する手段となる。不動産費用の削減や、オフィスの維持管理費用が不要になるため、経費削減効果が大きい。

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