1. トップ
  2. 新着ニュース
  3. 経済
  4. ビジネス

地方中小で“進まぬDX”──伴走する地銀に立ちはだかる「4つの壁」

ITmedia ビジネスオンライン / 2024年11月16日 8時0分

地方中小で“進まぬDX”──伴走する地銀に立ちはだかる「4つの壁」

中小で“進まぬDX”、なぜ?

 人口減少と高齢化が進む地方経済。その活性化の切り札として期待されるのが、中小企業のDXだ。そして、その担い手として注目を集めているのが地域金融機関である。

 10月18日に都内で開催された「DIGITALCAMP金融DXカンファレンス2024」。金融庁や経済産業省の担当者、そして実際にDX支援に取り組む地域金融機関の責任者らが一堂に会し、地域DX推進の現状と課題について熱い議論を交わした。

 DIGITALCAMPは、フリーとサイボウズが2021年に設立した一般社団法人だ。地域金融機関向けにDX人材の研修を行い、地域の中小企業のデジタル化支援を担う人材の育成に取り組んでいる。

 「地域の中小企業のDX推進は、地域創生の第一歩」。DIGITALCAMPの渡辺光副代表理事は開会時にそう語った。しかし、その道のりは平坦(たん)ではない。人材不足、資金不足、そして何より経営者の理解不足。これらの壁を乗り越え、地域金融機関は果たして夢見る未来を実現できるのか。

 金融庁や経産省が描く理想像と、現場で奮闘する金融機関の実態、そしてその間に横たわる課題と可能性に迫った。

●地銀は単なる「資金提供者」のままではいけない

 地域金融機関によるDX支援が目指すのは、単なる資金提供者から「デジタルコンシェルジュ」へと進化を遂げることだ。では、このデジタルコンシェルジュとは具体的に何を指すのか。それは、地域企業のデジタル化を包括的に支援し、その経営課題解決に寄り添う存在である。

 従来の融資業務にとどまらず、企業の業務効率化や新規事業創出までを視野に入れた支援が求められている。すなわち、クラウドツールの導入支援から始まり、データ分析による経営改善提案、さらにはAIを活用した新サービス開発のアドバイスまで、幅広い役割を担うことが期待されているのだ。

 このような変革が求められる背景には、地方企業が直面する深刻な人手不足がある。経済産業省の調査によると、企業が抱える経営課題のトップに「労働力不足」が挙げられている。そのため、DXによる業務効率化や生産性向上は、人手不足対策として喫緊の課題となっているのだ。

 こうした中、地方企業が最も頼りにしているのが地域金融機関だ。ITソリューションを紹介するだけのビジネスマッチングでは「紹介して終わり」という形が多かった。地域金融機関には、その後も継続的にサポートを行うことが求められている。特に、人材や知識が不足する中小企業にとって、信頼できる地域金融機関がデジタル化の相談相手となることへの期待は大きい。

この記事に関連するニュース

トピックスRSS

ランキング

複数ページをまたぐ記事です

記事の最終ページでミッション達成してください