迫る新リース会計基準、経理が「今から始めるべき」8つの準備
ITmedia ビジネスオンライン / 2024年11月15日 9時30分
どうなる? 迫る新リース会計基準
企業会計基準委員会および日本公認会計士協会から2024年9月13日に、リースに関する会計基準やその適用指針(以下、「新リース会計基準」とする)が公表されました。
これまで具体的な適用時期については確定していない状況でしたが、2027年4月1日以後に開始する連結会計年度および事業年度の期首から適用されることになりました。なお、これ以前に早期適用することも可能です。
そのため、これまでは改正動向を注視していた各社も、いよいよ準備に取り掛かりはじめています。新リース会計基準の適用に向けて、企業、中でも経理部門はどのような準備を行っていかなければならないのでしょうか。必要な8つの準備について、それぞれ解説します。
●新リース会計基準の適用に備え、必要な8つの準備
1.リースとなり得る取り引きや、適用に向けた課題を洗い出す
まず、新リース会計基準の適用によって新たに使用権資産やリース負債が計上される可能性のある賃貸借契約や、リース契約などを洗い出すための調査が必要となります。
新リース基準におけるリースの定義は従前と大きく変わりました。使用料や賃借料、委託料など、リース以外の名称の取り引きにも、リースの定義を満たす取り引きはさまざまに存在します。
当初は、どのような取り引きがリースの定義を満たすのか、少し理解に苦労する可能性があるため、リースの洗い出し調査を実施するに当たっては「自社に当てはめた場合にはどのようなものがリースに該当するのか」について、関係しそうな部署の担当者を対象に勉強会を開催しておきましょう。
なお、単にリースの定義を満たす取り引きの洗い出しを行うだけでなく、その洗い出し調査を通じて「リースに関する契約情報がどのように管理されているのか」または「全く管理されていないのか」なども把握しておけば、その後の業務プロセスの設計やシステム導入の要否の判断に役立つかもしれません。
また、リースの会計処理マニュアルを作成するとしたら、どのような事項をルールとして定めておかなければならないのかについても、課題として洗い出しを行っておくと、その後の準備スケジュールや、準備における人員体制の見通しに役立てられます。
2.概算影響額を算定する
リースとなり得る取り引きの洗い出しがある程度できたら、一度、概算で影響額を算定しておきましょう。
新リース会計基準において、オンバランス額は、画一的に算定できるわけではありません。しかし、一定の仮定のもとに影響額の概算を把握しておくことで、どのような部署やグループ会社において、どの程度の影響がありそうか見通すことができ、その後の準備における人員確保や、準備スケジュールの見通しに役立てられます。
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