日本でマンガが広がった背景に、どんな「仕組み」があったのか
ITmedia ビジネスオンライン / 2024年10月27日 9時10分
●大人もマンガを読む
1960~70年代、日本では、大学生がマンガを読むということが、ひとつの社会問題として捉えられていました。「マンガは子どもが読むもの。それを大人が読むなどけしからん」という考え方ですね。この時期、少年誌創刊ブームで多くのマンガに触れた世代が、その後の青年誌創刊や、そこで作品をつくる作家や編集者ともども大人になっていき、マンガの市場が年齢の高い層に広がっていったタイミングでした。
特に、日本において過去最高に人口の多かった世代、団塊の世代がこのマンガを読みながら大人になっていく層に直撃し、この世代は50歳を過ぎても60歳を過ぎてもマンガを読む人の存在が根強く、以降は大人がマンガを読むことは珍しくなくなりました。
その大人たちが、本屋のみならず、通勤電車の駅にある販売店で漫画誌を購入するというタッチポイントは、全国津々浦々で巨大な販売や宣伝の一助となり、作品を大人も含めた読者に浸透させたのです。
(菊池健、一般社団法人MANGA総合研究所所長/マスケット合同会社代表)
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