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スタバの国内初「子連れ店」、真の狙いはファミリー客の獲得にあらず? 店舗増がゆえの悩みとは

ITmedia ビジネスオンライン / 2024年10月28日 6時15分

 このような取り組みで子連れスタバは、オープン以来子連れ客によく利用される店になっています。しかし、子連れなどにフォーカスした取り組み自体は珍しいことではありません。他社でもこのような取り組みはありますし、実際にレイクタウン内にも、ファミリーシートを店内に作っている中華店がありました。

●実はレイクタウンに、スタバは7つもある

 子連れスタバのもう一つの狙いを考えると、同一地域で複数店舗を出店しても採算がとれる店づくりを模索しているといえるでしょう。実はイオンレイクタウン内にスタバは7店舗もあります。これだけたくさんのスタバ店舗が同じ商業施設内に出店しているのは、国内でもレイクタウンぐらいでしょう。

 筆者は同施設内の全スタバを訪問してきました。その結果、同じスタバでも立地によって客層が異なることがよく分りました。

 例えばkaze入り口付近のスタバは、最も越谷レイクタウン駅に近いところにあります。ここを利用するのはビジネスパーソンが多く、PCを開いて仕事をしているソロ客が多くいました。Kaze2階、施設の中央にあるスタバは落ち着いた印象で、買い物途中の女性ソロ客や女性同士の友人客などが利用していました。ファッションゾーンの中にあることが理由でしょう。

 一方、アウトレットモールにあるスタバは夫婦2人連れにファミリー客、カップルなど幅広い客層が利用していました。アウトレットモールの客層が息抜きに利用しているようです。

 これらは若干の店づくりに違いはあるものの、基本的には全て同じスタバです。大きく業態を変えてはいません。しかし、その中でも明らかに客層が異なったのがkaze3階店だったということでしょう。そこで、完全に子連れ客に店づくりを振ったのです。

 同店は、3階という立地です。多くの人が通る1階とは異なり、わざわざそのフロアを訪れる人しか利用しません。そのため、レイクタウン内のスタバの立地としては最も悪い立地ともいえるでしょう。こうした立地で成り立たせるためには、ターゲットを明確にした店づくりをせざるを得なかった、というのが正直なところなのではないでしょうか。

●自社競合を避けるためにも新業態が必要なスタバ

 6月末時点で、スタバの国内店舗数は1948店舗。 もはや「スタバがないところはない」というほど出店しています。これだけの出店数になると当然、同じスタバ同士で売り上げを食い合う現象も発生します。今後も出店数を増やせば自社内競合はさらに激しくなるでしょう。この自社競合を防ぎつつ、出店しても売り上げを上げ続ける店づくりをスタバは模索し始めているのです。

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