スタバの国内初「子連れ店」、真の狙いはファミリー客の獲得にあらず? 店舗増がゆえの悩みとは
ITmedia ビジネスオンライン / 2024年10月28日 6時15分
スターバックス コーヒー ジャパンの業績をコロナ前と比較すると、2022年度は2019年度に比べて売上高は143.9%。純利益率も5%を超えており、飲食業の中でも高収益体質を維持している会社といえます。
一方で、売上原価と販管費は、売上高や売上総利益以上に伸び率が上昇しているのが分かります。仕入原価の高騰や人件費、水道光熱費などの上昇により、利益が伸び悩んでいるというのが実状です。原価高騰や経費上昇を吸収するためには出店して売り上げを稼ぐしかありません。そのためには、より効率の良い出店、さらに既存店を定期的にリニューアルして、売り上げを増やし続ける店づくりを実現する必要があるのです。
日本国内とは異なりますが、米国のスタバ本社では国内の外食離れや中東での不買運動の影響などで業績の低迷が続いています。8月にはラクスマン・ナラシムハン最高経営責任者(CEO)が退任し、同社の業績を大幅に向上させたブライアン・ニコル氏が着任しています。
世界に4万店弱を展開するスタバ。茶系飲料に特化した「T&C」業態も少しずつ増やし、主要都市には「スターバックス リザーブ ロースタリー」という高価格業態も出店しています。しかしそれらはまだメイン業態ではなく、ベースとなるのはあくまでも標準的なスタバ業態です。
基本的に同じ店づくりでチェーン展開してきた同社が、今後は立地や客層によって少しずつ新業態を開発していく可能性を感じたのが、今回の子連れスタバでした。小売り・サービス市場では今後、店の飽和化という現象がより鮮明になってきます。その意味でスタバの業態開発には、今後も注目したいと思います。
(岩崎 剛幸)
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