船井電機「給料払えません。即時解雇です」 社員が気づけなかった「3つ」の危険信号
ITmedia ビジネスオンライン / 2024年10月30日 7時10分
「逃げ遅れ社員」にならなために、どうすればいいのか
「破産です。給料は払えません。即時解雇です」
勤めている会社でいつものように働いているとき、急にそんなことを告げられたらと想像していただきたい。
家のローン、子どもの教育費など、頭に描いていた人生設計がガラガラと音を立てて崩れてしまうのではないか。蓄えのない人などは「明日からどうやって食べていけばいいのだ」と目の前が真っ暗になってしまうかもしれない。そんな「サラリーマンの死刑宣告」を実際に告げられてしまった気の毒な人々がいる。
破産手続きに入った老舗AV機器メーカー「船井電機」(大阪府大東市)の約2000人の従業員である。
10月24日、会社で勤務をしていると午後1時半くらいに社内放送で食堂に集まるように告げられた。そこには弁護士がいて、会社が破産手続きに入ったこと、全員を解雇せざるを得ないこと、翌25日に支給される給料も予定通りに支払われないこと、などの説明を受けたという。
この悲劇的なニュースを受けて、サラリーマンの間ではさまざまな議論が交わされている。中でも一部で盛り上がっているのが、「逃げ遅れ社員にならないためにはどうすべきか」である。
「ネズミは沈む船を見捨てる」のことわざにもあるように、危機管理能力に長けた人はヤバい組織に早々に見切りをつけ、転職していくものだ。のんびりしていると、今回のように給料をもらえなかったり、失業期間が長引いてしまったりと被害が甚大だ。
これからのサラリーマンは自己防衛のためにも、組織の崩壊を素早く察知し、逃げ出すスキルが必要になっていくというのである。
確かに今回の船井電機のケースを見ても、社員が「逃げる」と決断してもおかしくないタイミングが「3つ」ほどあった。そこで異変に気付いて転職したか、気付かずにそのまま在職し続けたかで、社会人としてのキャリアに大きな違いが出てしまっているのも事実だ。
●船井電機の現実はどうだったのか
このような話を聞くと、「そんなのは後からいくらでもこじつけられる。末端の社員には会社の異変など分かるわけがないだろ」と冷笑する人もいるが、現実はちょっと違う。
『船井電機破産、嵐の一日 解雇された社員「不穏な伏線は夏ごろに」』(朝日新聞 10月26日)で取り上げられている社員のように、少し前から「うちの会社、そろそろヤバいかも」と感じていたカンのいい人はそれなりにいた。気付いていたけれど、多くの人はその不審な動きを、自社の危機に結び付けられなかったのである。
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