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船井電機「給料払えません。即時解雇です」 社員が気づけなかった「3つ」の危険信号

ITmedia ビジネスオンライン / 2024年10月30日 7時10分

 なぜかというと、この不審な動きというものが、多くの社員が関わっている「本業」と関係がないからだ。

 既に多くの専門家が指摘しているが、今回の船井電機の破産は「本業」だけが原因ではない。

 報道では、負債総額は2024年3月末時点で約460億円だが、主力の映像機器事業だけでこの負債が生まれたとは考えにくい。

 液晶テレビの製造は確かにかつてに比べれば不振に苦しんでいたが、それでも2024年3月期の連結売上高は約851億円(前期比4.1%増)。国内とアジアは低調だったが、北米市場の売り上げが伸びていて、当初の計画よりも上回っていた。

 船井電機・ホールディングスの事業報告書(2022年4月1日から2023年3月31日)の中で自社の財務についてこう述べている。

「金融機関との関係は引き続き良好であり、当社グループの当連結会計年度末現在の現金および預金残高は221億96百万円となっております。当連結会計年度において23億63百万円の親会社株主に帰属する当期純利益を計上しており、当連結会計年度末現在の純資産も255億79百万円あり、財務健全性に問題はないものと考えております」

 つまり、このタイミングでは財務的に何も問題がなかったが、2023年4月1日以降から「何か」が起きて、船井電機は460億円の負債を抱えたということである。これは例年通りに推移する「液晶テレビ事業」などが原因とは考えにくい。

●なぜ船井電機は倒産に至ってしまったのか

 2023年4月以降、船井電機に一体何が起きたのか。細かなところはこれから報道で明らかになっていくだろうが、ネットやSNSでは「ミュゼ転がし」という言葉が注目を集めている。

 船井電機・ホールディングスが2023年4月に完全子会社化した脱毛サロンチェーン「ミュゼプラチナム」を舞台装置にした、「資産切り売り」の被害に遭ったのではないかという「説」が唱えられているのだ。

 ちなみに、この「ミュゼ転がし」という言葉は、オリンパスの不正会計事件などの調査報道で知られる情報誌『FACTA』が2024年8月21日に報じていた『見るも無惨! どすぐろい勢力に侵食された「船井電機」』という記事から来ている。船井電機破産を受けて再掲されているので興味のある人はお読みいただきたい。

 この記事によれば、船井電機・ホールディングスのミュゼプラチナム買収は初めからおかしなことばかりだという。買収の4カ月前となる2022年12月、船井電機が所有する本社ビルに「ミュゼプラチナシステムズ」という横浜市内の合同会社を債務者として、横浜幸銀信用組合が39億6000万円の根抵当権を設定していた。

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