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「中間管理職を減らしたい」企業の盲点 リストラで起こる、3つのリスクに備えよ

ITmedia ビジネスオンライン / 2024年11月24日 8時0分

 では、こうしたリスクを回避し、組織の安定と成長を図るためには、どのような対策を講じれば良いのでしょうか。

 まず、情報伝達チャネルの多様化や双方向コミュニケーションの促進など、効果的なコミュニケーション体制を構築することが重要です。また、業務プロセスやツールの改善、自律的なチーム運営のための仕組み構築など、管理機能の強化と効率化を図る必要があります。

 実際にリストラを行う会社は、残された従業員に対する不安解消、キャリアパスに関する情報提供、業務量の増加への対応、AI導入による業務の簡素化など、心理的なサポートとモチベーション維持にも力を入れる必要があります。

 最後に、社内文化の変化への対応です。中間管理職は、会社への勤続年数が高い分、実は社内文化やチームの雰囲気を維持する上で重要な役割を果たしています。そのため、この層を一気に削減してしまうと、社内文化が変化し、従業員のエンゲージメントが低下するというリスクがあるのです。これは意外と盲点ではないでしょうか。

 社会構造の変化やテクノロジーの進歩に伴い、日米の企業で起きている中間管理職削減の動きは今後も一層強まることが予想されます。中間管理職の削減は、組織にとって容易な選択ではありません。その選択をする際には、新しいコミュニケーションラインの構築、残された従業員のケア、新しい企業文化の醸成など、適切なリスク対策を行うことが必要です。

著者プロフィール:石角友愛(いしずみ・ともえ) 

パロアルトインサイトCEO/AIビジネスデザイナー

2010年にハーバード・ビジネス・スクールでMBAを取得した後、シリコンバレーのグーグル本社で多数のAI関連プロジェクトをシニアストラテジストとしてリード。その後HRテック・流通系AIベンチャーを経てパロアルトインサイトをシリコンバレーで起業。東急ホテルズ&リゾーツのDXアドバイザーとして中長期DX戦略への助言を行うなど、多くの日本企業に対して最新のDX戦略提案からAI開発まで一貫したAI・DX支援を提供する。2024年より一般社団法人人工知能学会理事に就任。

AI人材育成のためのコンテンツ開発なども手掛け、順天堂大学大学院医学研究科データサイエンス学科客員教授(AI企業戦略)及び東京大学工学部アドバイザリー・ボードをはじめとして、京都府アート&テクノロジー・ヴィレッジ事業クリエイターを務めるなど幅広く活動している。

毎日新聞、日経xTREND、ITmediaなど大手メディアでの連載を持ち、 DXの重要性を伝える毎週配信ポッドキャスト「Level 5」のMCや、NHKラジオ第1「マイあさ!」内「マイ!Biz」コーナーにレギュラー出演中。「報道ステーション」「NHKクローズアップ現代+」などTV出演も多数。

著書に『AI時代を生き抜くということ ChatGPTとリスキリング』(日経BP)『いまこそ知りたいDX戦略』『いまこそ知りたいAIビジネス』(ディスカヴァー・トゥエンティワン)、『経験ゼロから始めるAI時代の新キャリアデザイン』(KADOKAWA)、『才能の見つけ方 天才の育て方』(文藝春秋)など多数。

パロアルトインサイトHP

お問い合わせ、ご質問などはこちらまで:info@paloaltoinsight.com

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