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“電動キックボード問題”が一歩前進? ソニーのブースは大人気

ITmedia ビジネスオンライン / 2024年11月15日 7時15分

 そもそもキックボードはスケボーを乗りやすくするためにハンドルバーを取り付けたもので、それを蹴り続けずに進めるようにしたのが電動キックボードである。手軽に移動の足として使うには、段差の多い公道でバランスを取り続ける必要があるなど、自転車に比べて乗りこなすハードルが高い。

 単に小型軽量というだけで普及させてしまったことに問題があり、手軽に手に入ることで法令順守の意識が薄い消費者が乗り回してしまう危険性が高い。同社のような販売方法を広めることが交通安全につながりそうだ。

 同社では電動アシスト自転車も取り扱っている。これもちまたで問題視されているファットバイク(太いタイヤのマウンテンバイク)のフル電動自転車と同じデザインながら、スロットルグリップを取り付けておらず、電動アシスト機能しか有していないというものだ。このように真面目なビジネスでユーザーを育てる企業が成長してほしいと思わされた。

 一方で、ソニーのブースはものすごい人気で、入場制限が行われていたため、ブース内の取材はできなかった。CEATEC2024が同時開催だったことから、イメージセンサーなど半導体関係の展示も多かったようだが、クルマに関する展示もあった。

 それが車体をイメージしたケージ状の展示物だった。けれども車内のモニターには、レーザーセンサー技術「LiDAR(ライダー)」とカメラによる前方の情報が映し出されただけで、自動運転で移動中の車内でどう過ごすかという課題への提案には程遠い内容だった。

 いささか筆者の期待とはズレていた。やはり自動運転での移動中に新たな価値を見いだすのはソニーといえど難しいのだろう。それだけに難産の末に生み出されたものを見てみたい、という思いがよぎった。

●最新のグリーンスローモビリティ

 ベンチャーというにはすでに規模が大きいEVメーカー、タジマモーターコーポレーション(東京都中野区)は、住友三井オートリース(東京都新宿区)のブースに新型のグリーンスローモビリティ用のEVを展示していた。

 住友三井オートリースは、その名の通り、企業に車両をリース販売している企業だが、昨今の自動車業界の激変ぶりに対応するべく、さまざまな自動車ビジネスへと拡大中だという。その一つが自動運転のコミュニティバスとグリーンスローモビリティだ。

 自動運転バスやグリーンスローモビリティは全国に拡大中だが、タジマモーターはグリーンスローモビリティ用の新型車両を展示した。

 「新型車両は国内で生産しています。それと従来車両で要望の多かったエアコンも装備して、より快適に移動できるようにしました」と説明員。

 従来よりフロアを低床としながらシャーシの剛性を確保するなど、開発には難しい局面もあったらしい。それでいて価格は約800万円からと、輸入して改造した従来車両と比べるとリーズナブルになっているようだ。

 今回のジャパンモビリティショービズウィークでは、日本のスタートアップの個性と元気ぶりを感じ取ることができた。製造業は中国や新興国などに拠点を奪われてしまった感があるが、まだまだ日本国内でも対抗できそうな勢いが伝わってきた。

 また、最近は電動キックボードの無法ぶりが目立ち、フル電動自転車(モペッド=原付という認識に改められつつある)もナンバーなしのノーヘル状態で、相変わらず走り回っている。このあたりを解決する方策が見えてきたのも収穫であった。

(高根英幸)

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