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飲みニケーションは必要か不要か? 議論で語られない管理職の“決定的な欠点”

ITmedia ビジネスオンライン / 2024年11月27日 8時55分

 当たり前の話だが、好きな人と酒を飲めば楽しいし、価値観や話が合わない人、無条件でムカつく相手と飲んでも苦痛なだけで時間の無駄だ。要はミもフタもないことを言ってしまうと、「飲みニケーション」なるものが成立するか否かというのは、「相手次第」なのだ。

 このような視点が「飲みニケーション」の議論で抜け落ちている。

●深刻な「日本の管理職のコミュ力不足」

 近年、この問題が語られる際には「酒を飲んで説教をしないで、学びになる経験を話してやる」とか「割り勘じゃなくて上司がおごる」「注文やお酌をさせない」など酒の席での立ち振る舞いやマナーが重視される。

 だが、実はそれは表面的な話に過ぎず、「飲みニケーション」に必要なのは、酒を入れる前の人間関係・信頼関係だ。この「土台」をつくっていないくせに、酔わせて一緒に騒げば結束が深まるといった勘違いをすると、アルハラやパワハラになってしまう。

 つまり、「飲みニケーション」に否定的な声が大きくなっているのは、日本に「コミュ力不足の管理職」がそれだけ多いということなのだ。

 少し古い調査だが、それを示すような驚きの国際比較調査がある。米コーチング企業のコーチ・エィが2015年、15カ国(地域)それぞれの非管理職100人を対象にしたところ、日本は「上司と部下の関係における良好度」で15位とビリだった(調査対象者は計1500人)。

 なぜ日本の部下たちは、上司との関係がうまくいってないと感じているのか。謎を解く鍵は「会話」にある。

 日本の上司と部下はよく会話をしている。頻度は15カ国中4位だ。しかし、その会話はキャッチボールではなく、上司が「一方的に話しかけているだけ」なのだ。

 上司と部下の話す割合が「ほぼ同じ」と回答した人は29%にとどまり、15カ国中14位。反対に「上司が話している時間のほうが長い」と回答したのは53%にも及んで15位中4位だ。

 このように「上司が一方的にまくしたてて、それを黙ってウンウンうなずいて聞く部下」という図式が日本のビジネスシーンの定番となっていることは、最近の調査でも明らかになっている。

●昭和の体育会カルチャーがいまだに横行

 転職サービスなどを手掛けるパーソルキャリアの調査機関「Job総研」が20~50代の男女を対象に「納得いかない職場の暗黙ルール」があるか質問したところ、「ある」と答えた人は88%に上った(有効回答数:805件)。

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