1. トップ
  2. 新着ニュース
  3. 経済
  4. ビジネス

「自責思考を持て」という“無敵論法”の危うさ 素直な若手ほど潰れるワケ

ITmedia ビジネスオンライン / 2024年12月4日 8時15分

「自責思考を持て」という“無敵論法”の危うさ 素直な若手ほど潰れるワケ

「自責思考を持て」はとてもごもっともな「指導」だ。しかし……(イメージ)

 上司から「自責思考を持て」「他人のせいにするな」と言われた経験はないだろうか。確かに、他責から自責へと考え方を変えることは、個人や組織の成長において大切な要素だ。しかし、この「自責思考を持て」という言葉が、時として部下を追い詰める"無敵論法"となり、逆効果を生むケースがある。

 部下の成長を阻む指導法とはどのようなものか、細かく解説する。組織のマネジャーをはじめ、教育者や子育て中の親にもぜひ最後まで読んでもらいたい。

著者プロフィール・横山信弘(よこやまのぶひろ)

企業の現場に入り、営業目標を「絶対達成」させるコンサルタント。最低でも目標を達成させる「予材管理」の考案者として知られる。15年間で3000回以上のセミナーや書籍やコラムを通じ「予材管理」の普及に力を注いできた。現在YouTubeチャンネル「予材管理大学」が人気を博し、経営者、営業マネジャーが視聴する。『絶対達成バイブル』など「絶対達成」シリーズの著者であり、多くはアジアを中心に翻訳版が発売されている。

●他責も自責も極端はよくない

 確かに、問題が起きるたびに「他責」の発言をする若者が増えている。パワハラと指摘されることを恐れ、強く指導できなくなった上司が増えているせいだ。

 「心理的安全性」という言葉の副作用も見逃せない。この表現が世の中に浸透して以来、若者が「何でもいえるようになった」と受け止めはじめた。例えば以下のような調子だ。

 「このプロジェクトが失敗したのは、課長の指示があいまいだったからです」

 「成長できないのは、会社の教育制度が不十分だからです」

 だからこそ、上司は自責思考を持つように指導したくなる。しかし「全て自分が悪い」という考え方は、かえって部下を追い詰めることになる。

●無敵論法とは何か?

 無敵論法とは、一見正論に見えて、実は相手を追い詰める言葉や論理のことだ。相手が反論できない仕組みになっている。

 「自責思考を持て」という言葉も、使い方を誤ると無敵論法になりやすい。例えば、

 「他責にするな。プロジェクトが失敗したのは君の責任だ」

 「自責思考を持て。教育制度が不十分と言うけど、自分で学ぼうとする気持ちが大切だ」

 このように、全ての原因を部下の努力不足や考え方の問題にすり替えてしまうのだ。マジメな若者ほど自責思考をうのみにするだろう。

 「確かに誰かのせいだと考えるのはおかしい」

 「自分に問題があるのに、すり替えてはいけない」

この記事に関連するニュース

トピックスRSS

ランキング

複数ページをまたぐ記事です

記事の最終ページでミッション達成してください