苦情が「半減」 NEXCO東日本のコールセンター、どのように「利用者の声」を聞いている?
ITmedia ビジネスオンライン / 2025年1月28日 9時0分
NEXCO東日本には道路工事から乗り放題プランまでさまざまな問い合わせが届く
「当社のコールセンターに足りないものをあぶり出したところ、お客さまには高いレベルで対応できていることが分かりました。90%近い応答率の高さと、外部機関による格付け調査で10年連続3つ星取得の実績があります。一方でDXとCXへの対応は全然進んでいないと実感しました」
2021年4月にNEXCO東日本のお客さまセンター長に就任した竹川郁子氏は、このように就任当時を振り返った。
当センターには1日約1000件の問い合わせが寄せられる。年間では30万件超だ。主な内容は、交通渋滞の情報やETC通過時のエラーに加え、各種の意見や苦情など多岐にわたる。高速道路と同様に、コールセンターも24時間365日有人で運営する。
当時の状況を踏まえ、竹川氏はDXによるCX向上の施策として「チャネルの多様化」「オペレーターの在宅勤務」「VOC活用」の3つを掲げた。
コミュニケーションツールの多様化に伴い、2023年に問い合わせ手段として新たにチャットを導入。オペレーターの在宅勤務については、柔軟な働き方に対応するほか、コールセンターのBCP対策も兼ねる。
VOC活用は利用者の声を経営に生かす取り組みで、同センターでは問い合わせの内容をCRMで管理していた。しかし、大まかな分類しかできず、具体的な内容はそれぞれ人が議事録を読んで確認する必要があった。そのため、1日1000件ほどの声は分析も活用にも至らない状態となってしまっていた。
VOC活用の対象となったのは、ドラ割「2022東北観光フリーパス」だ。対象エリア内の高速道路が定額で乗り降り自由になる割引商品なのだが、問い合わせの数も多く、対応時間も他の問い合わせが2分30秒ほどなのに対し10~15分かかることもあったという。
「ドラ割は、普段使わないサービスということもあり、『じゃあここはどうなのか?』と、違う質問に移ることも多かったです。また、旅行の前の問い合わせをいただくので、そこから旅行プランの相談などに派生してどんどん話が広がっていってしまうこともしばしばありました」(竹川氏)
利用者の御用聞き的な立場にもなってしまっていたようだ。利用者の困りごとの共通項が分かれば無駄な問い合わせも減らせると考え、実行に移した。
●ドラ割に対する意見や苦情が「半減」 どうやって改善したのか?
当時、CRMに利用者の声を記録してはいたものの、大中小の大きなくくりでしか管理していなかった。利用者からドラ割について問い合わせがあった場合、大項目が「割引制度」、中項目が「ドラ割」、小項目が「利用方法」などと選択する仕様になっており、ドラ割の利用方法の何について困っている人が多いのか、どこが分かりにくいのかといった具体を一覧で算出するなどは難しかった。
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