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苦情が「半減」 NEXCO東日本のコールセンター、どのように「利用者の声」を聞いている?

ITmedia ビジネスオンライン / 2025年1月28日 9時0分

 「テクノロジーマイニングを使えば効率的にお客さまがドラ割に対して抱いている疑問や課題が見つかるのではないかと考え、NTTネクシアさんに支援を依頼しました。2022年7月に入った、『2022東北観光フリーパス』に関する約1000件の問い合わせの議事録を提供し、分析結果をレポートにしていただきました」

 これまで大まかにしか分からなかった問い合わせ内容を50以上に区分できるようになり、分析の質が向上した。

 「やはりお客さまがお電話をくださるのは利用前が圧倒的に多いことが分かりました。他には、そもそも『ドラ割がどういうものなのか教えてください』という問い合わせが非常に多かったです。公式Webサイトで商品の紹介をしているつもりだったのですが、分かりにくい面があることに気付かされました」

 利用者の課題や問い合わせのタイミングなどは肌感覚として持っていたが、明確に可視化できたことは大きな一歩だった。

 問い合わせの内容としては「『利用規約にチェック』とあるが、そのチェックボックスがどこにあるか分からない」といった基本的なものから、「乗り放題の判例として、高速道路の出入口を示した図面があるが、その中に記載されているマークの意味が分からない」といった意外なものまで多岐にわたった。

 「これらの届いたお客さまの困りごとを、ドラ割部門の担当者がしらみつぶし的に(Webサイトなどに)反映させました。そして2023年に同じ商品を販売したところ、ドラ割に関するご意見・苦情が半減しました。もちろん問い合わせは一定数ありますが、『分かりづらくてだまされた』『間違えて申し込んだ』といったようなクレームが減りました」

●音声認識ソリューション

 2024年8月からは新たなDXとして、音声認識ソリューションを導入。竹川氏がセンター長就任時に目標として掲げた3つのDXを昨年までに完了させたため、次の挑戦として取り組み始めた。すでに成果も出てきている。

 「お客さまからいただく問い合わせに応じた特定のキーワードを音声認識ソリューションに打ち込むと、マニュアルが自動表示されます。『少々お待ちください』と保留を押してマニュアルを検索する手間が省けて、お客さまの問いに即答できるようになりました」

 電話応対時の保留割合を減少させ、オペレーターの業務効率にもつながった。これ以上に手ごたえを感じているのが、新人オペレーターの定着率の改善だという。

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