スポーツカーに未来はあるのか “走りの刺激”を伝え続ける方法
ITmedia ビジネスオンライン / 2024年12月20日 6時10分
実際、その加速力は脅威ですらある。日本車では飛び切りの高性能で知られる日産GT-Rでも、最高出力、最大トルクはわずかに及ばない。しかもモーターなので、静止状態から最大トルクを発揮し、発進加速も追い越し加速も段違いの瞬発力を見せつける。
さらに、EVのスムーズさと静かさに物足りなさを覚えるオーナーのために、Nモードと呼ばれるトラックモードを用意している。Nモードではバーチャルな8速DCT(デュアルクラッチトランスミッション)が選べ、シフトダウンするとエンジンをブリッピングしたように車内でエンジン音が高まり、バリバリとアフターファイヤーのような音(最近はバブリングとも言うらしい)まで放つのだ。
これはガソリン車のパドルシフトでスポーティーな走りを楽しんでいるユーザーにとってはなじみがあり、さらにより強力なパワーユニットによる刺激的な走りは痛快だろう。
だが公道での走りは、正直言って持て余すことが大半であり、雰囲気を味わう程度がせいぜいとなってしまう。それでも、この高性能なクルマを所有し乗り回すことに満足感を覚えるオーナーもいるはずだ。
GT-Rも同じだが、4人乗れて買い物にも行けることは、クルマを1台しか所有できないオーナーにとっては重要なことだ。そしてGT-Rにほれ込む、憧れる層を生み出し、ブランドイメージを作り出していったのだ。
ヒョンデは、このアイオニック5Nでスポーツカーを目指したのではなく、他にはない尖がったEVを作り上げ、話題性によってブランドイメージを高めることを狙ったのだ。その狙いは成功したと言っていい。しかし、スポーツドライビングを楽しむという観点からすれば、刺激的な走りも慣れれば普通の感覚になっていき、次に求めるクルマは違った方向性のものになるだろう。
●マツダ・ロードスター、現行モデルの大きな価値
マツダ・ロードスターは日本が誇るスポーツカーの一つで、世界中にファンがいる人気車種である。現行モデルは4代目で、登場したのは2015年であるから、すでに9年目を迎える長寿車種とも言える。
それでも現在の主査(開発を主幹するエンジニア)である齋藤茂樹氏は、電池の開発が進み重量負担が少なくなるまで、現行のNDロードスターを作り続けたいと明言している。つまり、次世代のロードスターはハイブリッド化が免れないため、今のロードスターを超えることは難しいのである。
もちろん主査の主観であり、そういった計画を決めるのは経営陣ではあるが、今のロードスターがどれだけ価値あるクルマかが伝わってくる発言だ。
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