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日本発スポーツビジネスの“業界標準”を作れるか ダンスのプロリーグ「D.LEAGUE」の挑戦

ITmedia ビジネスオンライン / 2024年12月31日 9時47分

 他のスポーツと大きく違うのが、Dリーガーはダンススクールなどの先生をやっているケースが少なくないことだ。ファンは憧れの先生に習える可能性があり、そうなった場合、「選手とファン」の関係から「先生と生徒」の関係に変わることがある。もし本当にダンスが上手になれば、「先生」が所属するチームに入り、生徒だった人がDリーガーとして踊れる可能性もゼロではない。

●NFT、メタバース、アバター 2030年を目指す

 デジタルネイティブでもある若いファンに、人気を博しているのがDリーグのNFTだ。選手と一緒に写真撮影ができるほか、香水のNFT(選手が選んだ香水を購入できる)と入場チケットのセット販売が好評だという。

 「この事業を担当しているソフトバンクさまもNFTの成功事例をたくさん作りたいのだと思います。日本ではWeb3.0がこれから来るといわれていて、1度落ちこんだ時期もありましたが、2030年ごろに復活するでしょう。その時にはすでにDリーグに磁場ができていることを見越していると思います」

 現時点では、多くの企業がNFTを収益化できずに途中で断念している。だが、そんな中でもDリーグは粘り強く事業を続ける方針だ。

 「今後、メタバースやアバターが当たり前になるときのために、今のうちから少しずつ準備をしています。現時点では、多くの企業がこのことを理解していないように見受けられます。将来的には、ブロックチェーンというものを意識しないでも、多くの人が“いつの間にか”使っている状態を作りたいと考えています」

 神田COOは、ギャランティーなども含め、全てをトークンでやりとりする世界までもが想定しているという。将来的に海外でもDリーグを始めた際、トークンの交換によって取引ができる未来まで考えている。仮想通貨がさらに普及する未来を考えたときに、Dリーグとして、対応できる状態を描いているのだ。

●ロス五輪でブレイキンが正式種目から外れ Dリーグにはプラス

 以前、Dリーグの平野岳史CEOにしたインタビューでは「Dリーガーがアルバイトをしなくても食べていける報酬を得ている」と語っていた。現在も年収で1000万~1500万円を稼ぐ選手も出てきているという。神田COOはDリーグが選手に寄与する意義を語る。

 「Dリーグができる前は、(ダンサーにとっては)ダンスを教えるレッスン料が主な収入源でした。時にはイベントのゲストとして呼ばれることがあったかもしれませんが、あくまでも基本の収入はレッスン料だったのです。でもプロのサッカー選手は、サッカーを教えることがメインの収入にはなり得ませんよね。同じくDリーガーにとっても、将来的にはDリーグからの収入がメインとなり、レッスン料はいわば副収入に変わっていくことでしょう」

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