旭化成社長に聞く「事業ポートフォリオ転換のワケ」 トランプ政権誕生の影響は?
ITmedia ビジネスオンライン / 2025年1月13日 18時52分
旭化成の工藤幸四郎社長
1970年代までは合成繊維の大手だった旭化成。同社が化学を中心としたマテリアル、住宅、ヘルスケアという3本の柱で多角化経営を進めている。この数年はさらなる成長に向けた事業ポートフォリオを転換してきた。
現状は「GG10」(10のGrowth Gears:成長牽引事業)に対し、2022~2024年度累計で約7000億円の投資を見込む。GG10合計での2024年度の営業利益は、事業利益の50%以上を目指している。
カギの一つは、米国の電気自動車(EV)市場が伸びると見込んで先行投資した、リチウムイオン電池にとって不可欠な部品のセパレーター(絶縁膜)事業が成功するかどうかだ。就任3年目を迎えた工藤幸四郎社長に、展望を聞いた。
●トランプ政権誕生でEVに逆風 影響は?
――2025年3月期の業績はほぼ予想通りですか。長期目標である2030年度に向けての中期計画の見通しはどうですか。
2024年度上期の業績発表では、同年度の通期の営業利益が、当初予想していた1800億円から上振れして1950億円に上方修正しました。11月の段階では、通期の業績はその予想の範囲にあります。2024年度は現中期経営計画(22~24年度)の最終年度であり、いま次の中計(25~27年度)を作成しているところですが、2027年度には2700億円前後の営業利益目標を設定したいと考えています。
このペースで進めば、2030年度近傍の目標である営業利益4000億円も達成できないことはないと考えています。同時に大事なのは、投下資本に対する収益性、効率性を見るROE(自己資本利益率)です。投資家も注目する数字なので、2030年度前後にROE15%以上にするという目標はしっかり達成したいと思います。
――石油化学関連の事業などの構造転換は、あとどれくらい残っているのでしょうか。
事業構造の転換には、われわれが事業を持つよりも他社に譲渡した方が良いのではないかという「ベストオーナー視点」で考えるか、われわれがマジョリティーを持って他社と組んでやるか、マイノリティーとなってやるかなどいろいろなケースがあります。事業ごとの戦略は既にできているので、あとはどれくらいのスピード感で実行していくかです。
われわれ自身が構造転換しようとしているものとしては、例えば西日本地区で三菱ケミカル、三井化学と当社でクラッカー(エチレン製造装置)の設備をどのように適正化していくかを現在、検討しています。できるだけ早く実行に移していきたいと考えています。
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