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なぜ経営難に陥る「神社」が増えたのか? 神社本庁システムの“限界”に迫る

ITmedia ビジネスオンライン / 2025年1月1日 6時20分

 さりとて上納金もあるので経営はカツカツ。高齢化で氏子も減少し、参拝客も減少傾向のようなところは、本殿や境内を修繕する余裕もなく荒れ放題となり、さらに閑散としていく――。

 かくして、日本全国に「限界集落」ならぬ「限界神社」があふれかえり、全国で3万以上の神社が消えていく「神社大消滅時代」へ本格的に突入していくというわけだ。

 このような未来を回避するには、どんな方法があるのだろうか。これは神社本庁の皆さんもあれやこれやと頭を痛めているところだろうが、個人的には「道の駅化」していくしかないと思っている。

●神社の観光スポット化、海外の例も

 神社の境内に地域の観光案内所を設置し、スペースに余裕があれば地域の野菜や特産品を販売したり、レストランも併設したりする。場合によってはイベントなどで「貸切」や、宿泊施設としても開放するのだ。

 もちろん、収益を上げた分は宗教活動ではないので、しっかりと課税する。明治神宮のように不動産関連の収入があるような神社はそちらに頼ることができるが、それができないところは「観光での稼ぎに頼る」しかないのではないか。

 「神聖な神社を、マナーの悪い観光客が土足で踏み荒らすような場所にできるわけがないだろ!」という痛烈なお叱りが飛んできそうだが、世界では神聖な場所を「観光スポット」としてブラッシュアップすることで保護するのが主流だ。

 例えば、エジプトのピラミッドだ。

 ご存じのように、あの遺跡は人類共通の財産であると同時に、エジプト人にとっても神聖な場所だ。しかし、つい最近、そこを有名YouTuberが貸し切った。

 世界一のチャンネル登録者数を誇るYouTuberのMrBeast(ミスタービースト)氏は、エジプト政府の協力のもとクフ王の大ピラミッドを貸し切って、中で一泊して幽霊探しをしたという。

 世界遺産の私的利用は、これが初めてではない。2024年初頭には、テック起業家と元プロレスラーが結婚式を行うためにピラミッドとスフィンクスを1週間貸し切り、一般公開を中止している。

 このような話を聞くと、「エジプト人はピラミッドを金もうけの道具くらいにしか考えてないんだな」と勝手に日本人のモノサシで考えてしまいがちだが、そうではない。これがピラミッドという神聖な場所を守るためにベストな方法だと考えているからだ。

●人口減の日本では待ったなし

 かの国に行ったことがある人は分かるだろうが、エジプトはそこかしこに遺跡だらけだ。これを全て税金によって発掘、修復、保全などをすれば、すぐに財政は破綻する。

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