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「AI PC戦国時代」の勝ち組を狙う日本HP 差別化の切り札とは?

ITmedia ビジネスオンライン / 2025年1月18日 14時30分

「AI PC戦国時代」の勝ち組を狙う日本HP 差別化の切り札とは?

日本HPの岡戸伸樹社長

 生成AIなどの処理を高速かつ省電力で実行できるNPU(ニューラル・プロセシング・ユニット)を搭載したAI PCが、広がりを見せている。PCや周辺機器などを扱う米HPは、個人向けには「OmniBook」、法人向けには「EliteBook」ブランドによって、高性能なNPUを搭載する「次世代AI PC」を販売。積極的にAI PCのラインアップを拡大している。

 各社の経営トップに2025年の展望と、AI活用を通じて自社をどう伸ばすかを聞く「2025年 新春トップインタビュー ~AI革新企業に問う~」では、日本HPの岡戸伸樹社長にインタビューした。

 米調査会社Canalysによると、2024年第3四半期のPC世界シェアトップは24.8%のレノボ。2位が20.4%のHPだった。ASUSも前年同期比15.8%増となり、PC業界ではし烈な争いが続く。2025年のPC業界はどのような動きを見せるのか。【日本HP社長に聞く「2024年はどんな1年だった?」 AI PCの行く先】に引き続き「2024年はAI PC元年だった」と話す岡戸社長に聞いた。

●次世代AI PC登場 HPはどこで差別化している?

 HPはAI PCの中でも「40TOPS」(1秒当たり40兆回)以上の推論処理を実行できるNPUを搭載したPCを「次世代AI PC」と呼ぶ。生成AI処理をクラウドだけでなく、ローカルで高速かつ省電力で実行できるなど、よりパワフルでセキュリティを強化したもの」と定義している。岡戸社長は「2024年はAI PC元年」と位置付け、販売強化とブランド構築に尽力してきた。

 「グローバルでは、2024年第4四半期のPC販売のうちAI PCの割合は約15%。これを2025年には25%に伸ばすことを目標としています」

 HPは、世界12カ国のAI利用率の変化を調査した。それによると日本は、2023年は25%で2024年には36%まで増加した。米国は28%が62%まで急増。インドは60%から89%まで増えている。12カ国の平均は66%で、日本だけが圧倒的に低い数値となった。

 「新しい技術に関して日本人は比較的、保守的だからだと推測しています。ただしAIへの期待や、実際にAIを使った後の仕事のやり方や生産性が変わったという実感は、他国と同様に高いです。ですから利用率が追い付くのは、時間の問題だと捉えています」

 2019年に、HPは薄型軽量のPC「ドラゴンフライ」を日本市場向けに開発し、現在グローバルで第4世代を販売中だ。しかしAI PCの登場に伴い、今後は「Elite」に統合していく。岡戸社長は「AI PCを販売するにあたり、製品選びを分かりやすくするのが狙い」だと説明する。

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