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「AI PC戦国時代」の勝ち組を狙う日本HP 差別化の切り札とは?

ITmedia ビジネスオンライン / 2025年1月18日 14時30分

 「法人向けはEliteとPro、個人向けPCはOmniにブランドを統一していきます。例えばOmniについて、HPの最初のノートPCにOmnibookというブランドがありました。Omniには本来『全て』という意味があり、AIという新技術が出てきたタイミングで、個人のあらゆるニーズに応える多様な製品群を表すものとして原点回帰をしようということになりました」

 日本のビジネスパーソンは通勤電車などに乗るために、軽量で薄型を好む。その意見を反映した製品は、今後も別な形で販売するそうだ。法人向けの「EliteBook 635 Aero G11」が、それに当たる。「日本HPが米国の本社側にリクエストして開発したPCが、日本で先行発売されました」

●PCの常時接続を可能にしたeSIM 日本独自のサービス

 2025年の販売拡大のカギと考えているのが、日本独自に展開している「HP eSIM Connect」が搭載されたモデルだ。

 働き方が多様化する中で、利用者から「PCはスマホと違い、ネットに常につながっていない不便さがある」という声を聞いたことがヒントになった。「例えば、タクシーに乗り、PCを開いて少しだけ仕事をしようと思うにもかかわらず、テザリングでつなぐという手間がかかるために『もういいや』といってやめてしまいます。しかしeSIM Connectは常時接続なので、PCを開けばすぐに使えます」

 これを実現するために日本HPはKDDIと提携した。5年間、データ通信を無制限で利用できるようにしたのだ。eSIM Connect内蔵モデルにはPC本体プラス通信費のプランを組み込んでいる。データ通信用に別枠で契約をする必要がないことから、大幅な経費節減を可能にした。日本HPの公式サイトに参考事例が出ていて、PCプラス通常のデータ通信契約を5年使った場合の総額は約60万円。一方eSIM Connect付きのモデルは19万円で済む。

 「われわれが仮想移動体通信事業者(MVNO)のような形で回線を販売しています。他社でやっている企業は現時点ではありません。5年間、データ容量を気にする必要がないのです。5年というのはPCのライフサイクルで、買い替えの時期です。つまり、PCの寿命を気にする必要がない点も重要です」

 これにより、ホテルやカフェなどが提供している公衆Wi-Fi回線につなげる必要もなくなる。そのためセキュリティリスクが低減される利点もあるのだ(事実、日本HPは社員の公衆Wi-Fiの使用を原則禁止している)。

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