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倒産の危機→V字回復 外食大手の苦闘を描いた『熱狂宣言2 コロナ激闘編』 その舞台裏を聞く

ITmedia ビジネスオンライン / 2025年1月10日 5時55分

松村: 「パッションリーダーズ」という経営者が交流する場を設立した近藤さんには、総理大臣になって日本を変えてほしいと思っている。まず自民党に入らないと難しいが(笑)。

 元参議院議員の松田公太さん(タリーズコーヒージャパン創業者)は、「外食産業の声」という外食有志が立ち上げた団体をまとめるだけでなく、外食の窮状を訴えて、国や東京都と交渉してくれた。当時、個人店は救済されても、チェーン店には不利な措置が行われていた。

――その当時、何とか日本の外食を守ろうと動いていた複数の団体が集結して、「食団連(一般社団法人 日本飲食団体連合会)」という組織ができた。

松村: 専務理事の高橋英樹さんからは、理事になって一緒にやってほしいと要請されたが、会社があまりにも大変な状況になっていたので、申し訳ないが引き受けられなかった。

小松: コロナが終わって、今は何もなかったように平常に戻っている。外食にとってコロナ禍が“負の遺産”となってしまったため、もう誰も振り返ろうとしない。その振り返りを本当にやったのは、松村さんだけではないか。

●最悪の事態をどう回避したのか

――『熱狂宣言2』の結末が、倒産といった最悪の事態もあり得た。

小松: 最悪の事態を避けるため、社長も社員も、出口の見えない状況で企業が終わりなき闘いに挑んでいた。コロナ禍と同時並行で、緊張感のある局面を取材させていただいた。コロナ禍が終わって存続した場合、V字回復してから仕切り直すよりも、苦しい時こそ取材してほしいというのが松村さんの意志だった。

 幻冬舎の社長である見城徹さんからは、「松村さんの闘う姿の記録は、必ずDDグループのためになる。全ての外食経営者にとっても良き救済の書になるから、書き通せ」とアドバイスされた。お2人には、経営者の覚悟を見た感がある。

――実際、グループ会社が離脱したり、グループ会社の社長が辞めたりした。DDグループは心を1つにして進んでいたように描かれていたが、難破寸前にも見えた。

小松: 私は何度か「苦しい」「書けない」と見城さんに訴えた。本当に松村さんが愛した会社が倒産する可能性があったからだ。しかし、見城さんからは「たとえ倒産しても、それを書くのがあなたの仕事だ」と言われた。その言葉に奮い立ち、取材を継続できた。

松村: 2020年は東京オリンピックが開催される予定だったので、インバウンドも含め多くのお客さまを受け入れられるように、ずっと準備してきた。2月の決算には成果も出ていた。弊社だけでなく、誰もがコロナのパンデミックを予期できなかった。

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