倒産の危機→V字回復 外食大手の苦闘を描いた『熱狂宣言2 コロナ激闘編』 その舞台裏を聞く
ITmedia ビジネスオンライン / 2025年1月10日 5時55分
『熱狂宣言』と『熱狂宣言2』の単行本
東証プライム上場で、レストラン・居酒屋、カフェ、インターネットカフェなどを経営する「DDグループ」が好調だ。
2024年2月期決算では、売上高370億7900万円(前年比115.0%)。経常利益は31億3100万円(同373.4%)。利益率の向上が目覚ましく、売上高経常利益率は前年の2.6%から8.4%にまで高まった(外食の経常利益率が平均4~5%とされている)。同社は上場来の過去最高益を更新した。
2025年2月期中間決算(2024年3~8月)でも、売上高192億200万円(前年同期比105.4%)、経常利益18億200万円(同114.4%)と好調を持続している。売上高経常利益率は9.4%と2桁に迫っている。
しかし、会社の規模としては、過去最高売上高を記録した2020年2月期の573億6900万円にはまだまだ届きそうにない。
同社は、新型コロナウイルスの感染が拡大し始めていたとき、主要ターミナル駅やオフィス街を中心にレストラン・居酒屋をメインに出店していた。そのため、緊急事態やまん延防止等重点措置による人流抑制で、深い痛手を負った。
突然のコロナ禍により、DDグループは店舗の営業自粛に追い込まれた。時短・休業を余儀なくされ、2021~22年には2年連続の赤字に苦しむことに。2021年の経常損失は90億3400万円だった。また、2022年は時短協力金が入ったため、経常損失は9700万円にまで圧縮されたが、厳しい経営が続いていた。年間の売上高も、2022年には193億5300万円と、コロナ前の約3分の1にまで縮小。倒産の瀬戸際まで追い込まれ、今日のようなV字回復が起こるとは想像しにくかった。
●外食企業の内実を克明に記す
2024年7月発売の『熱狂宣言2 コロナ激闘編』(幻冬舎)は、DDグループのコロナ禍による赤字転落から回復までの4年間の過程を克明につづったノンフィクションである。著者はノンフィクション作家の小松成美氏。DDグループ代表取締役社長・松村厚久氏を中心に、同社幹部や関係者を取材した。
『熱狂宣言2』は、2015年に刊行した『熱狂宣言』(幻冬舎)の続編として企画された。
『熱狂宣言』は、約10万部を売り上げたベストセラーだ。同書は、若年性パーキンソン病に罹患しつつも、外食産業の発展に一石を投じようと奮闘する松村氏の日々を取り上げている。冷静な態度を保ちつつも、温かみのある筆致でつづった小松氏の文章が多くの共感を呼んだ。
この記事に関連するニュース
-
業務スーパー好調で増収増益の神戸物産、中計目標を上方修正!
ダイヤモンド・チェーンストア オンライン / 2025年1月9日 20時59分
-
「テプラ」で知られる文具大手、15年ぶり赤字転落…縮小する国内市場と原価高騰に打つ手は?
集英社オンライン / 2024年12月27日 7時0分
-
ソニーFGが買収、「新興保険企業」の不都合な事実 遠藤社長がブレーン役だったjustInCaseの統治不全
東洋経済オンライン / 2024年12月26日 7時40分
-
鳥貴族が新時代の「居酒屋王」に!? 苦戦するライバルと差がついた決定的な理由
ITmedia ビジネスオンライン / 2024年12月25日 8時10分
-
大量閉店「サンマルクカフェ」が陥った“想定外の事態”。地方と都市部で異なる課題に苦しむハメに――ニュース傑作選
日刊SPA! / 2024年12月15日 8時45分
ランキング
-
1ヤマハ発動機、27年ぶりに企業ロゴを刷新 デジタル活用を意識
レスポンス / 2025年1月10日 15時57分
-
2エヌビディア、バイデン氏のAI半導体輸出規制強化案を批判
ロイター / 2025年1月10日 16時20分
-
3"7つの悪手"「中居正広氏の謝罪文」失敗の典型だ 反発は必然「危機管理の専門家」いなかったのか
東洋経済オンライン / 2025年1月10日 16時0分
-
4アングル:ファーストリテ株、業績好調でも下げ突出 ちらつくウエート調整
ロイター / 2025年1月10日 17時7分
-
5中居正広と松本人志に共通する"不信感"の正体 説明をせず、仕事復帰を宣言できる一体なぜ?
東洋経済オンライン / 2025年1月10日 18時30分
複数ページをまたぐ記事です
記事の最終ページでミッション達成してください