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富士通社長に聞く「組織変革の真意」 AIエージェントの未来は?

ITmedia ビジネスオンライン / 2025年1月18日 14時42分

●「一極集中は不健全」 海外企業とも積極的に提携

 最近のホットトピックはもっぱらAI Agentについてだ。富士通も2024年10月に「Fujitsu Kozuchi AI Agent」の提供を開始した。

 AIが進化すれば、社員の役割にも変化が生じる。リスキリングが叫ばれている中、人材の再活用の方法についてはどう考えているのか。

 「人間がやる知的な作業も含めて、AIに代わってもらわざるを得ない領域があるとすれば、AIに自律的に動いてもらう必要があります。それがAI Agentです。ただAIは、人のためのものであって、あくまでも人が中心です。どの程度、置き換えるべきか議論するべきです」

 2024年の記事でも伝えた通り、富士通のAI活用では「Human Centric」(人間中心)の理念を掲げ、研究開発をしている。

 同社は2024年に入り、カナダの生成AI スタートアップCohereに加え、米SupermicroやAMDなどと戦略的技術連携をした。Cohereとは企業向けの大規模言語モデル(LLM)「Takane」(高嶺)も開発している。

 世界のITジャイアントがひしめき合う中、もはや1社だけで何かを開発し、GAFAなどと肩を並べていくのは限界があるのも事実だ。

 「富士通は通信、スーパーコンピュータ、量子コンピュータ、SI、AIなど、テクノロジー企業として何でもできる会社です。ただ当社だけで全てをやることが、社会や顧客にとって価値を生むかというと、必ずしもそうではありあせん。提携した一番の価値は、スピードアップにあります。この変化の激しい時代において、ゆっくりやるという選択肢はありません。Cohereと提携してわずか数カ月でTakaneを出せた事実は、素晴らしいことだと思っています」

 提携には、もう1つ狙いがある。富士通は米NVIDIA(エヌビディア)と協業する一方で、AMDとも協業している。AI向け半導体の業界構図が“エヌビディア1強”の様相を呈す中、そこにくさびを打ち込む形だ。

 「自由主義経済の中で、1つの企業や団体が何かを独占することは、決して健全ではありません。経済安全保障上の問題もあります。第3極の存在は、テクノロジーの世界にとっては良いことですが、それができる企業は限られています。富士通は、その役割を果たすべき企業の1つだと信じています」

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