「生成AI×RAG」の可能性 新潟日報「生成AI研究所」創設の狙いは?
ITmedia ビジネスオンライン / 2025年2月1日 19時10分
新潟日報生成AI研究所の鶴間尚社長
新潟県を代表する地方紙、新潟日報が生成AI活用を本格的に始めている。新潟日報を発行する新潟日報社は2024年11月1日、100%子会社として「新潟日報生成AI研究所」を設立。地域に特化した生成AIサービスの提供を開始した。
新潟日報の2010年以降の記事データ約47万本を生成AIに読み込ませたもので、地方の課題解決に必要な情報提供を目的としている。その想定活用範囲は、広報原稿作成や業界トレンド把握、アイデア出しから議事録作成など多岐にわたる。
生成AI領域においては、法人向け生成AIサービス大手のエクサウィザーズ(東京都港区)と協業し、同社の技術を組み合わせている。記事データを「学習」するのではなく、RAG(検索拡張生成)によって読み込む形をとっており、プライバシーやセキュリティに配慮している。
新潟日報社はなぜ、地域課題解決に生成AIを活用しようとしているのか。新潟日報執行役員で、新潟日報生成AI研究所社長の鶴間尚さんと、エクサウィザーズ創業者で同研究所所長の石山洸さん、第1号ユーザーであるダイニチ工業(新潟市)取締役の野口武嗣さんに狙いや期待を聞いた。
●地方紙が生成AIに注力する理由とは?
「新潟日報社に限らず、地方新聞や新聞社は非常に厳しい状況に置かれています。発行部数も厳しく、広告収入なども厳しい状況にあります。こうした中、新しい事業を作るべくスタートしたのが新潟日報生成AI研究所になります」
新潟日報生成AI研究所の鶴間社長が切り出した。新潟日報の朝刊発行部数は2008年頃まで49万部を超えていたものの 、現在は33万8000部。2024年2月末には夕刊も休刊し、本業である新聞事業は確実に縮小傾向にある。
「こうした中で、各地方紙は存続をかけ、いろいろな新事業を展開しています。当社も新聞社らしい新事業とは何かを考えていたところ、2024年5月にエクサウィザーズの石山さんと話す機会があり、地方課題を生成AIで解決する提案をいただきました」(鶴間社長)
最初は新潟県が抱える特有の課題。例えば一部地域で世界トップクラスの積雪量を抱える問題や、農業の問題、高齢化や過疎の問題などの解決に、生成AIを活用する考えだったという。
「最初から記事データベースを生成AIで活用する構想があったわけではなく、一緒に新潟の皆さんと地方課題を解決するために、新潟日報社は何ができるのかというところから話がスタートしています」(鶴間社長)
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