「生成AI×RAG」の可能性 新潟日報「生成AI研究所」創設の狙いは?
ITmedia ビジネスオンライン / 2025年2月1日 19時10分
2024年5月に提案を受けたことを機に、9月から本格的な事業に着手。11月に研究所設立へと至った。第1号ユーザーとして、新潟市に本社を置く、家庭用石油ファンヒーターや加湿器などを全国に製造販売するメーカー・ダイニチ工業が導入を決定している。
「地方の課題は新潟に限らず、全国にも通じるところがあります。今回の新潟発生成AIをきっかけに、生成AIの可能性を新潟から世界へ発信していきます。『生成AIで新潟の可能性を∞(無限大)に』をテーマに、事業に取り組んでいきます」(鶴間社長)
●「新潟日報生成AI」で何ができるのか
新潟日報生成AI研究所が展開するサービス第1弾が「新潟日報生成AI」だ。これは新潟日報の記事データを活用した法人向けの生成AIサービスだ。2010年1月以降の記事データ約47万本を生成AIが参照することによって、広報原稿作成や業界トレンド把握、アイデア出しから議事録作成などに役立てる狙いだ。
新聞記事は新聞社が労力とコストをかけて作成した知的財産であり、著作権などの法的権利がある。また、一般市民による多くの実名コメントも含まれており、生成AIに学習されて再利用されることに対する懸念もある。こうした背景から、生成AIに記事データを記憶し、学習させる形にはしていない。検索するたびに、記事データを一時的に参照するRAGという仕組みを使っているのが特徴だ。参照する記事データは、新潟日報が執筆するなどして著作権を保有しているもので、共同通信などが配信したものをそのまま掲載することはしていない。
新潟日報生成AIでは、地域の特性に特化した回答を得られる。例えば、新潟県下越地域で、地元の食材を利用したレストランの起業を利用者が質問した場合、新潟市中心部で人が集まる地域はどこか。また地元の食材を生かしたレストランでは、近年どんなジャンルの店が人気あるか。先行事例ではどんなメニューが展開されているかなどを、生成AIが記事データベースを引用した上で、精度の高い回答を提供する。
他にも、新潟市の食と酒のイベントを実施したいと考えている利用者がいた場合には、AIが朱鷺メッセやANAクラウンプラザ新潟といった、地元特有のイベント会場を提案し、それぞれ過去の同種イベントの開催実績なども回答する。
「新潟県内の地元民間企業や、県内の自治体など、汎用にどんな形でも使えるように設計しました。使えば使うほど、生産性が上がっていくのではないかと思います。地域から、企業や自治体の生産性を上げていくことは、日本全体にとっても有益だと考えます」(石山洸所長)
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