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脱「牛丼一本足」進める吉野家 カレー、から揚げ、おにぎり、ラーメン、どこまで広がる?

ITmedia ビジネスオンライン / 2025年1月27日 11時27分

 浅草という立地だけに、インバウンドの顧客が多く、海外の人にとっては格安の値段だろう。同じようにインバウンドに強い、大阪のミナミなどでは問題なく展開できるはずだ。いうまでもなく、カレー業界では絶対王者の「ココイチ」が存在する。まともに勝負していては勝てないことから、立地を選んで出店していくことになるだろう。

●「エブリデイから揚げ」を標ぼうする、でいから

 一方の「でいから」は、“エブリデイから揚げ”が由来であり、毎日食べても飽きないから揚げを目指したという。コロナ禍で起こったから揚げブームは、既に終焉(しゅうえん)している。そこで、吉野家では一計を案じ、今ブームのおにぎりと組み合わせた。

 遠目からも目立つ赤い外観の店内に入ると、レジ前のケースにおにぎりが並んでおり、テークアウトで購入でき、ドライブスルーにも対応する。メニューは、から揚げ定食が基本で、から揚げは4個が基本。3個なら110円引き、最大で6個まで増量でき、220円追加となる。定食はご飯の大盛に加えて「昔話盛」が無料サービスで、通常の2.5倍ある昔話盛ならたくさん食べる人も満足できるだろう。

 おにぎりは、1個の最低価格が253円。「から揚げ専用おにぎり」「悪魔のおにぎり」などユニークなものもある。その他、143円の小鉢も9種類販売する。

 顧客層は広いようで、平日は男性、休日はファミリー、テークアウトは女性が多い。

 以上、吉野家HDで進む、「500円の壁」を破れるメニューと業態の多様化をまとめた。こうしてみると、競合も多く前途多難だ。しかし、既に1社でフードコートを編成できるほどの多種多様な業態があり、他社との差別化の観点から、今後はフードコートをまるごと請け負う出店もあるかもしれない。

(長浜淳之介)

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