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JR西がイノベーションを「外販」する未来 デザイン思考から働き方改革まで

ITmedia ビジネスオンライン / 2025年1月31日 8時10分

JR西がイノベーションを「外販」する未来 デザイン思考から働き方改革まで

JR西がイノベーションを「外販」する未来

 JR西日本は2024年12月5~6日、総合展示会「2024 Innovation & Challenge Day」を開催した。展示会では、JR西日本が「私たちが培った技術を外販します」という明確な意図があった。この模様を、前回の展示編と今回の講演編の2回に分けて紹介する。

 展示編が主に技術に焦点を当てていたのに対し、講演編ではデザイン思考や働き方改革といった、技術の枠を超えたテーマが取り上げられた。JR西日本が幅広いテーマに取り組んでおり、またそれを外販しようという意図が伝わってきた。

●感性工学にも通じる「デザイン思考」が基調講演

 講演会は3つの会場で計13講演が行われた。その中で特に興味深かった3つの講演を紹介したい。

・基調講演「イノベーションを生み出すための、デザイン思考の本質」

 登壇者はクリエイティブディレクターの山崎晴太郎氏(崎は「大」が「立」、以下同)とJR西日本の取締役兼常務執行役員 デジタルソリューション本部長の奥田英雄氏。山崎氏はJR西日本が手がける新たな決済サービス「Wesmo!(ウェスモ)」のデザインワークを担当している。

 講演はデザイン論として「『体を動かす(行動する)』には『心を動かす』必要がある。心を動かす仕掛けがデザインだ」という話が印象的だった。月曜日から元気よく1週間を過ごすために、月曜の朝に新しいシャツをおろすような……かなり抽象的な話だが、心を動かす仕組みという考え方は、かつて私が学んだ「感性工学」に通じるものがある。

 後半は、デザイン思考を取り入れたプロダクトとしてWesmo!が紹介された。JR西日本が開発したこの新決済サービスは、2025年春のサービスインを予定している。ICOCAの電子マネー機能と用途は似ているけれども、Wesmo!はNFCタグを活用した決済のほかにQRコード決済を利用できる。電子マネーのチャージは銀行口座などから行う。

 強みはJR西日本が展開しているWESTERサービスと連携していること。WESTERはスマホアプリで、経路検索や運行情報を提供するほか、加盟店の割引サービスを展開する。また会員向けスタンプラリーの商品としてWESTERポイントを付与する。WESTERサービスとJR西日本が手がける決済サービス「ICOCA」「J-WESTカード」、インターネット予約「e5489」「EX予約」を組み合わせるとWESTERポイントがたまっていく。

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