1000万円のDX投資が台無しに……「進捗管理」の誤解が招く悲劇
ITmedia ビジネスオンライン / 2025年1月31日 8時10分
なぜ多額の投資をしたDXが失敗してしまったのか?(イメージ)
営業の生産性を上げるため、ある企業が1000万円以上かけてSFA/CRMを導入した。しかし、3年たっても期待した成果が出ていないという。「営業活動を見える化すれば目標達成できるはず」。そう豪語していた営業マネジャーは、今では頭を抱えている。いったい何が問題だったのか?
理由は、営業マネジャーに進捗管理の本質が理解できていなかったからだ。
今回は、そもそも進捗管理とは何なのか? なぜシステム導入だけでは目標達成できないのか? について解説する。経営者はもちろんのこと、営業マネジメントに携わる方々は、ぜひ最後まで読んでもらいたい。
●多くのマネジャーが誤解している「進捗管理」とは?
進捗管理とは、一般的に「どれだけ進んでいるか」「どこに問題があるか」「予定通りに進めるために何をすべきか」を把握し、必要に応じてサポートを行うことだ。
しかし、進捗管理とは何かと尋ねられたら、多くのマネジャーは、
「タスクの見える化だ」
「スケジュール管理のことだ」
「目標達成までのプロセスをしっかりと見ることだ」
と答える。そう思い込んでいるから、高額なシステムを導入したものの、全く活用できないのだ。
●進捗管理の本質を誤解すると、こうなる!
以前、次のようなマネジャーがいた。
「SFA/CRMを導入すると、営業活動が全て見える化される。スムーズに進捗管理ができるようになって、データ分析も簡単になるはずだ」
しかし、このように思い込んでいるマネジャーの下では、とても残念な結果になりがちだ。
「せっかく高額なシステムを入れたのに、一向にデータが集まらない」
「データが集まらないから、分析もできない」
「誰も入力しないから、結果的に以前のExcel管理に戻ってしまう」
なぜこうなるのか? それは、マネジャーが進捗管理に入る部分と入らない部分を、しっかりと理解していないからだ。
繰り返すが、進捗管理とは、
「どれだけ進んでいるか」「どこに問題があるか」「予定通りに進めるために何をすべきか」を把握し、必要に応じてサポートを行うこと、である。
従って進捗管理に入らないのは次の2つだ。
1. 目標・タスクを明確化し、段階的に分解する
2. 可視化(見える化)を徹底する
そして、進捗管理に入るのは次の3つである。
1. 定期的に振り返り・レビューを行う
2. 適切なコミュニケーションと早期エスカレーションを行う
3. 定量・定性の両面から進捗を評価し、柔軟に調整する
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