1000万円のDX投資が台無しに……「進捗管理」の誤解が招く悲劇
ITmedia ビジネスオンライン / 2025年1月31日 8時10分
それでは、これら5つのポイントを詳しく解説していこう。
●1. 目標・タスクを明確化し、段階的に分解する
「今期はこのぐらいの売り上げを達成しよう」と抽象的な指示をしても、部下は具体的に何をすればいいのか分からない。進捗を測ることもできない。
まず、大きな目標を細かい単位に分解するのだ。
「毎月この商品を5本売る」
「新規のお客さまに毎週3件アプローチする」
「既存のお客さまは四半期に1回は訪問する」
このように、一つ一つのタスクを具体的に決めていく。とても重要なプロセスだが、これは進捗管理するための準備といえる。
●2. 可視化(見える化)を徹底する
可視化(見える化)は、目標を達成するための「見取り図」と言ってもいい。空から見た地図のようなものだ。
例えば、毎月商品を5本売るという目標を立てたとする。それを達成するために、
・今、誰に営業をかけているのか?
・商談はどこまで進んでいるのか?
・今月中に成約する可能性はどのぐらいあるのか?
このように、一目で分かるようにすることが見える化である。これも進捗管理の準備段階だ。あくまでも仕組みを整備しているだけだからだ。
●3. 定期的に振り返り・レビューを行う
さて、ここからが本当の進捗管理のはじまりだ。月曜日の朝会で、
「先週はどうだった?」
「今週はどうするつもりだ?」
「ここで手が止まっているのはなぜ?」
このように、一つ一つ確認していく。このときに仕組みがあり、見える化されていると便利だ。正しい現状確認、レビューがしやすいからである。
●4. 適切なコミュニケーションと早期エスカレーション
現状を確認し、問題がありそうであれば、何らかの打ち手を考える。すぐ対処できる環境を作ることも、進捗管理の一部だ。
最後の最後まで「なんとかなるはず」と思い込んでいる部下がいたらいけない。手遅れになる前にリカバリーする。
問題が大きくなる前にマネジャーに報告・相談することを早期エスカレーションと呼ぶ。これも進捗管理において重要な取り組みだ。
●5. 定量・定性の両面から進捗を評価し、柔軟に調整する
私たちコンサルタントが陥りがちな問題だ。ついつい数字だけを見て判断してしまう。だが、数字で表すことができない情報も無視できない。お客さまの表情、部下の様子、市場の変化などの情報などだ。
「確かに今月の売り上げは達成できそうもない。しかし、新しい商品に興味を持ってくれるお客さまが増えてきた」
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