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ドンキ「みんなの75点より、誰かの120点」が、マーケティング戦略的に正しいワケ

ITmedia ビジネスオンライン / 2025年1月31日 6時10分

カップ焼きそばのかやく丼

 カップ焼きそばで味わえる“ソースのしみたキャベツ”を主役に据えた新感覚の丼ぶり。濃厚なソースがしみ込んだキャベツをフリーズドライで再現し、マヨネーズとふりかけをトッピングすることで、あの“カップ焼きそば特有のフニャッとした食感”を忠実に再現した。「容器に張り付いたキャベツを思う存分食べたい」という担当者の偏愛が形になった商品である。ご飯が進む“罪深い”味わいが特徴だ。

昭和の鉄板風ナポリタンドッグ

 ドンキとタレントのテリー伊藤氏のコラボから誕生した“昭和レトロな喫茶めし”をワンハンドで楽しめる一品。しっとりとしたケチャップまみれのナポリタンをドッグロールに挟むことで、懐かしい味わいを手軽に頬張れる。2024年8月発売の「黄金おにぎり」に続く“テリー伊藤の偏愛めし”第二弾として、テリー氏の番組企画と連動して生まれた。ケチャップ好きにはたまらないレトロ感である。

のり塩ポテトサラダ

 まるでポテトチップスの「のり塩」味がそのままサラダになったかのような新感覚メニュー。海苔=磯の風味を徹底的に引き出すために青のりをたっぷり使用し、濃厚な磯の香りが口いっぱいに広がる。ビールとの相性も抜群で、「普通ののり塩では物足りない」という人にこそ刺さる一品となっている。

黒の誓約パスタ

 イカ墨を麺にまで練り込み、ソースも含めて真っ黒に仕上げたイカ墨パスタ。“唇が真っ黒になろうが構わない、それが食べた証!”という本物のイカ墨好きにささげる、濃厚かつニンニクが効いた食べ応えのある一品である。外食の場だと気が引けるイカ墨パスタを、家で存分に楽しむための発想が見事に商品化されている。

 これらの商品は「とにかく自分が好きな要素を極限まで詰め込んだらこうなった」という印象で、“みんなにそこそこ受ける”無難な設計とは一線を画している。結果として、狙い通り“特定層の熱い支持”を得るに至っているわけだ。

●ニッチ戦略の代表例:マツダの「2%戦略」

 こうしたドンキの「偏愛めし」的なアプローチは、ニッチ戦略としては非常に理にかなっている。同様の発想を体現した好例として知られるのが、マツダの「2%戦略」である。

 2012年に登場した「CX-5」を皮切りとする新世代商品群や、魂動デザイン、販売店の刷新によって、マツダはかつての「マツダ地獄」と揶揄(やゆ)された不人気のイメージから脱却し、ブランドイメージと支持率を大きく向上させた。

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