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自分で淹れたら70円、店員が淹れたら700円 モンカフェが“変わった店”を営業しているワケ

ITmedia ビジネスオンライン / 2025年2月8日 7時40分

 多くのメーカーがキリトリ線に沿って開封する商品を投入したことで、消費者はどのように感じているのか。片岡物産が2018年に実施した調査によると、「モンカフェを淹れるのは難しそう」という声が目立ってきた。「使い方がよく分からない」「他の商品よりも高い」この2つの理由から、「飲んだことがない」といった傾向がうかがえたのだ。

 さらに、市場環境も悪化していた。特許が切れたころから、お中元・お歳暮の需要が低迷していったのだ。スーパーなどで販売している家庭用の商品は好調だったものの、ギフト用の売り上げは減少傾向にあり、回復させるのが難しい状況だった。

 このままではいけない、なんとかしなければいけない、ということで、なにを始めたのか。カフェをオープンすることで、多くの人に「体験」してもらうことを考えたのだ。2019年、東京の恵比寿に期間限定でカフェをオープン。同社にとって、渋谷店は2度目のチャレンジになる。

 さて、カフェを1年運営してみて、どんなことが分かってきたのか。店を始めるにあたって「どこに出店するのか」といった問題があった。ターミナル駅などにポップアップストアを出店するのもいいかもしれないし、オフィス街に店を構えるのもいいかもしれない。いろいろ議論していく中で、渋谷のキャットストリートに決めた。

 人通りが多いところにポップアップストアを構えると、たくさんの人が寄ってくれるだろう。しかし、スタッフとのコミュニケーションを十分にとれるかどうかといった問題があった。初めて来店したお客には、コーヒーの淹れ方だけではなく、ブランドのことも説明する。わちゃわちゃした環境の中でそのことを説明しても、お客に伝わらないかもしれないと考え、ポップアップストアは見送った。

●「うれしい悩み」も

 では、オフィス街はどうか。高い建物がたくさん並んでいるところには、ビジネスパーソンがたくさん働いている。しかし、観光地のように初めて来る人は少ないので、常連客ばかりになるのではないか。これまで飲んだことがない人に「体験」してもらいたいのに、オフィス街では、その目的が果たせないかもしれないと考え、こちらも見送った。

 そして、若い人たちがたくさん歩いている渋谷のキャットストリートである。たくさんのお店があるので、そこで働いている人たちがいる。そのお店を目当てに、遠くからやって来る人もいる。モンカフェを体験してもらうには“いい場所”かもしれないと思い、出店した。

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