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自分で淹れたら70円、店員が淹れたら700円 モンカフェが“変わった店”を営業しているワケ

ITmedia ビジネスオンライン / 2025年2月8日 7時40分

 で、結果はどうだったのか。これまでのところ、新規客が8割、リピーターが2割だそうだ。この数字をどう見ればいいのか。判断が分かれるところだが、カフェを担当している藤原啓史さんは、次のように課題を語った。

 「コミュニケーションを十分にとるために、スタッフはお客さまに丁寧にお話させていただいています。そのことは評価されていますが、そうしたやりとりが心地よいためか、店の雰囲気が既存のカフェのようになってきました」

 お店のスタッフとお客の関係がよいということなので、悪い話ではない。一般的なカフェであれば喜ばしいことだが、体験を目的としたカフェとしては「うれしい悩み」といったところだろう。

●1杯700円を払っている割合

 最後に、気になることをひとつ。自分で淹れたら70円、スタッフが淹れたら700円になるわけだが、どのくらいの人がスタッフに頼んでいるのだろうか。

 藤原さんに聞くと、「全体の2%ほどが淹れてもらっていますね」という。普段、自分で淹れるコーヒーとスタッフが淹れるコーヒーの味には、どのくらいの違いがあるのか。答え合わせをするような形で、スタッフに淹れてもらう人が多いようだ。あとは、外国人も注文するケースが目立つという。

 価格差を10倍に設定した理由として、「モンカフェは高い」と思われていることが関係している。とあるスーパーを視察すると、モンカフェの「オリジナル珈琲(キリマンジャロブレンド)」は8袋入りで430円。その隣で販売していた大手のコーヒーは9袋入りで430円。1杯当たりの価格はモンカフェが54円、大手が48円。少し高いものの、ものすごく高いというわけではなかった。

 しかしで、ある。アンケート調査では「高い」という結果がでているので、そのイメージをなんとかしなければいけない。カフェで飲んで「1杯70円」であれば、お客は安く感じるのではないだろうか。おいしいコーヒーには価値があるんですよ、決して高くはないですよ。こうしたことに気付いてほしい、という狙いもあるようだ。

 自分で淹れることは手間なのか、それとも楽しいことなのか。カップのふちにセットしたフィルターは、そんな問いをそっと“注いで”いるようだ。

(土肥義則)

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