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「あれはクレーマーですよ」 取引先と何度もモメる部下、どうすればいい?

ITmedia ビジネスオンライン / 2025年2月12日 7時0分

 この模型を手前から見るのでなく、右横から見たり、左横から見たり、向こう側から見たりしたら、それぞれ見え方は違ってくる。でも、この段階の子どもは、それがよく分からない。手前から見た図、右横から見た図、向こう側から見た図、左横から見た図を用意し、右横から見ている友達にはこの3つの山はどのように見えるかと尋ねると、自分が今見えている図と同じ手前から見た図を選ぶ。

 自分以外の視点を取ることができないのだ。自分の視点から抜け出すことができない。そうした自己中心性からの脱却という意味での認知能力の発達は、コミュニケーション能力の発達にも影響する。相手の気持ちに共感できるようになったり、相手の立場を想像できるようになることで、相手が口にする言葉の意味が分かるようになる。

 だが、大人になっても、自己中心性から十分に脱却できていない人もいる。自分の視点からしかものを見ることができず、想像力を働かせて他者の視点に立ってみるということがないため、人の言い分が理解できない。

 そうしたことの改善にも威力を発揮するのが読書だ。読書によって自分とはまったく異質の作者や自分とはまったく異質の登場人物といった他人の視点に触れることができるからだ。それによって自分以外の視点を取り込んでいくことができる。

※この記事は、榎本博明氏の著書『「指示通り」ができない人たち』(日経BP 日本経済新聞出版、2024年)に、編集を加えて転載したものです(無断転載禁止)。なお、文中の内容・肩書などは全て出版当時のものです。

筆者プロフィール:榎本 博明(えのもと ひろあき)

MP人間科学研究所代表、心理学博士

1955年東京生まれ。東京大学教育心理学科卒。東芝市場調査課勤務の後、東京都立大学大学院心理学専攻博士課程中退。川村短期大学講師、カリフォルニア大学客員研究員、大阪大学助教授等を経て、現職。

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