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「AIエージェント」とは何か、何ができるのか セールスフォースの会見から読み解く

ITmedia エンタープライズ / 2024年10月29日 7時0分

 図2の表題に「AIは“個人”の強化+“組織”の強化へ」と記されているように、生成AIは個人向け、AIエージェントは組織向けにそれぞれ適用が広がるということだろう。

●セールスフォースがAIエージェントを提供する理由

 「AIエージェントは、組織の力に制限を無くす」

 前野氏はこうも述べた。どういうことか。

 「これまで組織は従業員の生産性によって活動を支えられてきたが、昨今の人手不足によってその生産性を維持することが難しくなってきている。一方で、製品やサービスに対する顧客の期待は高まっており、その間のギャップは広がるばかりだ。それに対し、AIエージェントを活用することで生産性を上げ、人はもっと人としてやるべきことに注力する。そうすれば、組織の力は理論上、無限のスケール性を持つことになる。こうした働き方を実現するのが、これからの経営の重要なポイントになるだろう」

 すなわち、AIエージェントの活用は、企業にとって人手不足の解消策、さらには労働力の強化につながるというわけだ。

 その上で、前野氏が満を持して紹介したのが、Agentforceだ(図3)。

 「当社はAgentforceによって『人間+AIエージェント+データ+CRM』の実現を目指している。AIエージェントは自律的に労働力を強化するが、人間の全ての役割を代わりに担えるわけではない。営業において見込み客と商談を進めたとしても、金額的なやり取りは人間が実施する必要がある。そうしたAIエージェントと人間の連携について、図3では外側のAgentforceと、その内側の『Customer 360』として描いている。当社のCRMであるCustomer 360が各分野での人間の営みを示し、それぞれの分野でAIエージェントが伴走するといった構図だ。また、AIエージェントが伴走して任務を実行するにはそのためのデータが必要なので、『Data Cloud』との連携も欠かせない。セキュリティやプライバシー、アナリティクス、ユーザーインターフェイスなどの基本機能を備えたSalesforceプラットフォームを基盤とした世界観が、Agentforceの目指すところだ」

 改めて図3を見ると、Customer 360とAgentforceは表裏一体という構図だ。これはまさしくリアルとバーチャルが対になって動く「デジタルツイン」ともいえるだろう。

 また、前野氏は「AgentforceはAIエージェントとして2つの提供形態がある」と述べた(図4)。

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