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予約なしで入れるはずが「予約でいっぱい」なのはなぜ? キャリアショップで今起こっていること

ITmedia Mobile / 2024年6月9日 12時5分

 筆者もかつては携帯電話ショップの店員だったので分かるのだが、全ての店員が全ての業務に対応できるとは限らない。家電量販店の大規模店舗の場合だと「フロア(売り場)案内担当」と「契約実務担当」が明確に分かれていることがある。時間帯、あるいは混雑状況によってフロア担当が契約を担ったり、逆に契約実務担当がフロア接客に出たりすることもあるが、フロア案内担当の中には、契約手続きを行うためのキャリア内資格を保有していない人もいる。これは、キャリアショップも同様だ。

 対応できる人がいなければ、いくらカウンターがあっても応対できない――当たり前といえば当たり前ではある。

 ひと昔前までは、携帯電話の販売スタッフは「高時給」で「未経験でもOK」な仕事ということもあり、人気の高い職種だった。しかし、メインストリームがケータイ(フィーチャーフォン)からスマートフォンに移り、端末やサービスの取り扱い難易度が高くなってしまった(求められる知識やスキルが広がってしまった)がゆえに人材が集まりづらくなってしまっている。

 先述の通り、商材によっては取り扱いに資格が必要なのだが、キャリア内資格でも、ものによっては取得に数日の研修が必須という場合もある。研修の間の人員不足を埋めるためのシフトを組もうにも、そもそも人手が足りないため困難を来す――そんなこともあったりする。

 資格が必要な業務に従事できるスタッフが増えず(足りず)、その資格を取得させるために必要な人員も確保できないという“負のスパイラル”によって、「すいているように見えて、実はいっぱいいっぱい」というショップは増えているのだと思われる。

●本当は「予約なし客」をもっと受け入れたいが……

 ここまでの話で、一見すいているように見えるキャリアショップが、思っている以上に“いっぱいいっぱい”であることが分かった。

 予約なしで訪れた客に対応したくても、対応できない――このような状況だが、それでも来店予約のない客に来てもらいたいのだろうか。最初に質問した店員はこう語る。

 本当は予約なしの来店をもっと受け付けたいです。予約をしていただいた方が用件も分かるので準備を整えやすく、楽なのは事実です。ただ、困って来店したお客さまを(受け付けられないと言って)帰してしまうのも、心苦しいんですよね……。

 もう1人の店員はこう語る。

 アフターサポート業務だけでなく、飛び入りで入ってきたお客さまにスマートフォンを売ったり、料金プランを提案したりする“余裕”がほしいです。端末の販売やプランの獲得の実績も見られるわけですが、アフターサポートに忙殺されてしまうと、業績面ではつらいのが正直なところです。飛び入り来店に対する営業や提案が決まったときの気持ち良さは、もっと日々の対応の中にほしいなって考えてしまいます。

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