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「AQUOS R9」のデザインが変貌を遂げた理由 ハイエンド推しから“情緒的価値”追求にシフト

ITmedia Mobile / 2024年7月3日 13時51分

 一方でホワイトは食器のような清潔な印象を与える質感で、カメラバンプは銀色で柔らかな光沢がある。川氏は「素材感を生かした色、素材、仕上げの選定を行っている」と説明した。

●カメラを引き立たせる“切り方”もこだわり

 より細部を見ていこう。カメラバンプの細部にも、こだわりが見られる。エッジ部分に施されたダイヤモンドカットだ。川氏の説明によると、この削り方には特別な工夫が凝らされている。

 「一般的なダイヤモンドカットは、ダイヤの刃を斜めに当ててカットするだけで済ませます。実はAQUOS R9のダイヤモンドカットは2段階あります。単純な角度ではなくてカクカクっと2段階に角度を付けています」(川氏)

 全体のフォルムはシンプルな形状としつつ、断面のアール(丸み付け)にこだわっており、また、サイドフレームの金属と、バックパネルのガラスの接合部分にも細心の注意が払われている。これらの細部へのこだわりが、AQUOS R9の柔和な印象と高級感を形作っている。

●「AQUOS wish4」は再生プラスチックを多用

 AQUOS wish4はAQUOS R9と共通のデザイン言語を持ちつつ、異なる素材でそのボディーを形作っている。背面は60%再生プラスチックを試用し、しっとりとした表面塗装を施して手触り良く仕上げた。

 巨神兵のようなカメラバンプの部分にガラス素材を活用して、アクセントとしている。

 カラーバリエーションはブルー、ホワイト、ブラックの3色。Y!mobileでは限定色としてピンクも展開する。

●“日本発スマホ”でグローバル化を進めるシャープ

 AQUOS R9のデザイン戦略を理解する上での重要な文脈となるのが、シャープが海外戦略強化の方針を打ち出していることだ。展開国は従来のインドネシア・台湾に加え、シンガポールでも販売する。

 国内市場も変化している。スマホ販売のほとんどを携帯キャリアが独占する構造が徐々に変化しつつあり、メーカーが独自にSIMフリーモデルを販売するケースが増えてきた。これを小林氏は「日本がグローバル化している」と形容する。

 小林氏は「日本メーカーが少なくなり、中国系やアメリカ系のブランドが勢いを増している」状況を指摘し、「日本らしさのリニューアル」の必要性を強調している。

 日本のモダンデザインを得意とする三宅氏との協業も、日本発のスマホを実現していく上で、訴求力を持つ可能性がある。グローバル化した日本市場と、シャープが進出を目指す海外市場の双方に通用するアイデンティティーを持たせたデザインリニューアルといえる。

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