1. トップ
  2. 新着ニュース
  3. IT
  4. モバイル・アプリ

スマホ×AIはどう進化すべきか Nothingのカール・ペイCEOと深澤直人氏が語る未来のプロダクトデザイン

ITmedia Mobile / 2024年7月5日 21時43分

ペイ氏 iOSが非常に人気なのは使いやすく、美しいことだ。われわれは競合としてiOSに対抗できるものを作りたいと思っている。

●プロダクトデザインの楽しさと苦しさ

 プロダクトデザイナーという共通項がある2人。仕事への情熱の傾け方には通じ合うものがあるようだ。深澤氏はこの仕事の楽しさを「作ることを一緒に、人と集まって作ることにフォーカスしている時間が一番楽しい。何もない姿が現れ始める瞬間というのがあって、その瞬間がすごく楽しい」と語る。

 ペイ氏も同じ楽しさを共有する。物理的なプロダクトを作ることの醍醐味(だいごみ)について、以下のように付け加えた。

ペイ氏 道を歩いているときに、自分の作ったものを付けてくださっている方がいる、そういったものを見ていると、非常にうれしくなる。

 しかし、ペイ氏はプロダクトデザインの喜びを語るだけにとどまらない。

ペイ氏 誕生した瞬間の喜びというのは、深澤さんもおっしゃる通り、私もそうなんですけれども、その裏には生みの苦しみというのもたくさんある。例えば、キャッシュフローにサプライチェーン管理に、人材管理も。なんでここまで来てやらなきゃいけないのって、思うことがある。

●AIは“適切な姿”を得るべき テクノロジー企業には伝えることの責任も

 対談のテーマは「AIとスマートフォン」に及んだ。2024年のスマホメーカーにとって、AIは格好のアピールポイントとなっている。Nothing PhoneもChatGPTと連動するウィジェットを搭載し、ユーザーがより気軽にAIを試せるようにしている。

 深澤氏は、AIに対する世間の認識と実態とのギャップを指摘した。

深澤氏 一般的なユーザーの認識モデルだと、AIはだいたい人の形や脳のイメージを想像する。だから、自分の脳が外部にもう1つできてしまうのではないかと、急に不安になる。

 一般ユーザーの不安に反して、実体としてのAI活用はもっと「単純な実装」で進んでいると深澤氏は指摘する。例えとして、グラフィカル・ユーザーインタフェース(GUI)が導入されたときの変化を挙げる。

深澤氏 Xerox ParcでGUIが開発されて、画面に記号を打ち込んでプログラムするPCの常識が変わった。この変化は劇的なのに、当たり前のように伝わった。人々は変化にあまり気付かなかった。

 AIによる変革も、同じような状況にあるという。

深澤氏 もう僕らの世界がAIにどっぷりつかっちゃっている状態。今さら、AIがどう変えるのかと予測を立てる時代ではない。

この記事に関連するニュース

トピックスRSS

ランキング

複数ページをまたぐ記事です

記事の最終ページでミッション達成してください