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スマホ×AIはどう進化すべきか Nothingのカール・ペイCEOと深澤直人氏が語る未来のプロダクトデザイン

ITmedia Mobile / 2024年7月5日 21時43分

 AI時代に求められるのは、この実体を適切な表現で示すことだ。深澤氏はAIに適切なインタフェースとしての「姿」や「形」与える重要性を指摘する。

深澤氏 (AIに必要なのは)エンボディーメント。抽象的な概念にボディーを与えること。そのボディーはブレインとか人間の姿とかアンドロイドのようなものだが、感覚的にもイメージとしても(AIは)そのような形ではないものではない、ではどういう姿を与えるかっていうことが大事になってくる。

 カール・ペイ氏は、コンピューティングの未来についてビル・ゲイツの記事を引用しながら語った。彼は、より便利で使いやすい未来のコンピュータについて3つの要素を挙げた。

 まず、1つ目の要素はコンピュータが人間をより深く理解し、情報を効果的に統合・提供すること。次に、ユーザーを積極的に支援し、日常的な作業をサポートすることで、より創造的な活動に集中できるようにすること。

 そして最後にこの要素を満たしたコンピュータは、「新しいデザインと直感的なユーザーインタフェースが必要になる。アプリがなくなるような時代には、感覚的な操作ができ、美しく使いやすいものをどう実現するか考える必要がある」(ペイ氏)とコメントした。

 ペイ氏は、これらの考えを基にNothingが新しいアプローチを追求していく意向を示した。さらに、ペイ氏はAIに対する一般ユーザーの不安に対処するため、テクノロジー企業の責任にも言及した。「作る側の企業がもっと丁寧に、何を作っているのか伝えるべきだ」(同氏)

●生活を変えるテクノロジーとは

 モデレーターの黒住氏から「生活を変えるプロダクトのアイデア」を問われた深澤氏は、斬新なアプローチを提案した。それは、テクノロジーを通じて人間の無意識的な認知プロセスをより深く理解し、活用するというものだ。

 「無意識の状態と、自分の全てのセンサーを通じて物事を認知しているということを、人間は忘れている」と深澤氏は指摘する。人間は日常的に、意識せずに膨大な情報を処理しているが、それらの多くは意識の表面に上らない。

 深澤氏は、この無意識の認知プロセスこそが、より直感的で自然なインタフェースやデザインを生み出す鍵になると考えている。「意識がむしろ間違いを起こすという状態もある」と述べ、過度に意識的な思考に頼ることの限界も示唆した。

 深澤氏の洞察を発展させると、AIが人間の無意識の領域から価値ある情報をくみ上げる「センサー」として機能する未来が見えてくる。

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