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ドコモが能登の復興支援ライブで“5G Massive MIMO臨時局”を展開 通信速度とパケ詰まり効果を検証した

ITmedia Mobile / 2024年7月19日 17時39分

 冒頭で触れたように、2024年からドコモ以外も5G Sub-6帯のMassive MIMOの活用について説明する機会が増えている。これらの動きについて簡単に説明していこう。

 Massive MIMOを簡単に説明すると、数十から100以上のアンテナ素子を並べたユニットを用いて空間上での電波の指向性を制御する「ビームフォーミング」や、応用して複数のスマホに個別の電波リソースを割り当てて同時通信を可能にし、一般的な基地局よりも通信効率をより向上させる「MU-MIMO」を利用できる技術や設備を指す。

 これにより、通信が混雑しがちな場所でも処理できる通信量が増え、快適な通信が可能になる。前述したように、今回取材したNTTドコモ 北陸支社の取り組みでも、5G Sub-6 100MHz幅にMassive MIMOを用いることで2倍以上の通信効率を実現できるとしている。

 ただ、どの周波数帯でも活用されているわけではなく、アンテナ素子のサイズや効率から全体的には5GのSub-6やミリ波、ソフトバンクなどが先取りして4Gでも導入した2.5GHz帯や3.5GHz帯などで用いられることが多い。

●2024年に5GエリアやMassive MIMOの発表が増えている理由

 なぜ2024年にドコモだけでなくKDDIや楽天モバイルなども5G Sub-6のMassive MIMOを含む5G関連の発表を増やしているかというと、いくつかの理由がある。特に大きいのは、5Gスマホの普及が進んできたことと、大手4社ともに関係する関東首都圏での3.7GHz帯の制限緩和だ。これにより、各社とも首都圏で5G Sub-6 3.7GHz帯の出力アップによるエリア拡大を進めている。

 まとめると以下の通りになる。

・5G対応スマホの普及率が全体の半分程度にまで増えてきた

・2024年3月末に関東首都圏でも5G Sub-6 3.7GHz帯の衛星干渉条件が緩和され、対応エリアを整備しやすくなった

・4社とも持つ5G Sub-6の3.7GHz帯は帯域幅が100MHz幅と広く、Massive MIMOによる通信効率改善の恩恵が大きい

・Massive MIMO設備の小型、軽量化が進んだ

・2023年度末までの5G整備計画が一段落した

 特に5G Sub-6の3.7GHz帯は周波数幅が100MHzと広く高速なので、干渉条件の緩和でこのエリアを広げやすくなっただけでも通信の混雑緩和を期待できる。それでも混雑する箇所には、この記事で紹介した金沢のイベントのように5G Sub-6かつMassive MIMOの基地局を整備することになる。Massive MIMOは4G向けの20MHzや30MHz幅の帯域でも用いられているが、5G Sub-6の100MHz幅で用いた方が通信効率の向上の幅はより大きくなる。

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