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ドコモの新料金「eximo ポイ活」を分析 お得だが“dカード必須”が障壁に、裾野拡大には課題も

ITmedia Mobile / 2024年8月3日 6時5分

 ドコモにとっては、dカードの取扱高が上がるのがメリットになる。山本氏も、「dカードをサブでお使いの方いる」としながら、「ポイ活プランで、支払いをこちらに寄せていただきたい」と語る。想定しているのは、複数のクレジットカードを併用しているケースで、「他社のカードでお支払いしていたものを、dカードにしていただければ、あらゆる場面でお得を感じていただける」(同)。

 dカードの契約者数は、2023年度で1775万に伸びている。このうちdカードGOLDは1065万で、ゴールドカード比率は業界トップクラスの6割にも上る。契約者数は2023年にカード発行枚数で3000万を超えた楽天カードに及ばないものの、大手3キャリアの中では最大規模。「ポイントや特典を多く得られるお得なカードという認知が過半数」(同)といい、ユーザーからの支持も厚い。

 ドコモは、2024年10月にdポイントクラブも改定し、“dカードシフト”を強めていく。10月3日から、ランクによるポイント倍率アップ特典が一部下がる一方で、d払いの決済につくポイントが上乗せされる「d払い特典」を新設する。このd払い特典も、dカードやdカードを設定した携帯料金合算払いのみが対象。残高での還元は受けられない。料金プランやポイントプログラムとdカードをより密接にひも付けることで、取扱高を上げていきたい狙いが透けて見える。

●キャリアごとに異なるポイ活プラン、“dカード推し”は吉と出るか凶と出るか

 こうした点は、同じ決済連動の料金プランでも、コード決済サービスのPayPayと連動しているソフトバンクの「ペイトク」と対照的だ。ペイトクは、残高やポイントでの支払いも還元の対象になる一方で、PayPayカードでの直接決済には非対応。他社をリードするコード決済のPayPayに還元を寄せることで、利用を促進している。

 また、KDDIの「auマネ活プラン」は、単純な決済に応じたポイント還元ではなく、auじぶん銀行やau PAYカードをひも付け、毎月800円分のau PAY残高を還元する仕組みだ。これに加え、au PAYゴールドカードでのポイント還元率やauじぶん銀行の金利が上がる特典も用意されている。傘下の金融サービスとの相乗効果を狙った料金プランといっていいだろう。

 対するドコモは、金融サービスは拡大の途上で、コード決済以上にdカードが強い。その意味では、各社とも金融・決済分野での得意分野を生かし、料金プランと連携させてきたと言えそうだ。一方で、気軽に利用できるコード決済とは違い、クレジットカードは契約のハードルも上がるため、eximo ポイ活がどこまで伸びるかは未知数だ。これは数字にも表れている。先に挙げたように、dカードは2023年度で1775万契約まで伸びている一方で、d払いのユーザー数である5199万と比べるとユーザー数の規模は小さい。

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