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スマホの“SIMのみ契約キャッシュバック”が激化しているワケ 解約率上昇も様子見が続く

ITmedia Mobile / 2024年8月10日 6時5分

 KDDIもau Online ShopでSIMのみ契約に対し、1万円相当の還元を行っている。また、サブブランドのUQ mobileの場合、最大1万円に加えてau PAYの利用額に応じた還元を行っており、追加で1万円分の残高がもらえる。ソフトバンクもY!mobileの特典として最大2万円相当のPayPayギフトカードを付与しており、特にサブブランドでの獲得競争が激化している印象が強い。サブブランドはSIMのみ契約の多いMVNOへの対抗馬として成長してきた経緯もあり、こうしたキャンペーンはほぼ“定番”になりつつあるのが実態だ。

●KDDI、ソフトバンクは解約率上昇 ドコモは今後拡大する可能性も

 このSIMのみ契約の競争が、大手キャリアの間で激化しているという。8月2日に開催されたKDDIの決算会見では、代表取締役社長の高橋誠氏が「SIM単体(の販売に)力を入れると、そこで(ユーザーの)数が移動する」とコメント。「これが健全かどうかは置いておくとしても、この部分で解約率が上がっている」と語った。解約率を、「SIM単体の契約が左右している」状況になりつつあるというわけだ。

 実際、KDDIの決算資料を見ると、「マルチブランド解約率」は1.11%まで拡大。前年同期の0.96%や、前年度通期の1.05%を上回っている。高橋氏によると、「auの解約率は開示していないが、0.5%より上で1%より低い」という。数では少ないはずのSIM単体契約が、全体の解約率を押し上げていることが分かる

 これは、ソフトバンクも同じだ。同社の24年度第1四半期の解約率は、KDDIよりやや高めの1.39%。前年同期の1.05%や前年度通期の1.13%より高い数値で、上昇傾向にあることが見て取れる。全体の解約率は3G停波の影響もありそうだが、スマホに絞った解約率も1.18%と、前年同期の1%より0.18ポイント上昇している。これも、SIM単体契約の流動性が高まっていることを示唆した数値と見てよさそうだ。

 ソフトバンクの代表取締役社長執行役員兼CEOの宮川潤一氏も、「SIMのみを契約して短期で乗り換える方が一定数いるのは事実」と明かす。ソフトバンクにとっても「獲得はしやすい」が、その反面「解約率の押し上げがある」(同)という。宮川氏によると、「SIMだけを契約し、インセンティブをもらったら半年や3、4カ月でグルグルと回る方がいる」という。こうしたユーザーは「本当に大事にしたいユーザーの利益を消化しながら流れているので、何とか手を打ちたい」というのが宮川氏の考えだ。

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