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スマホの“SIMのみ契約キャッシュバック”が激化しているワケ 解約率上昇も様子見が続く

ITmedia Mobile / 2024年8月10日 6時5分

 これに対し、ドコモも解約率は上昇している一方で、KDDIやソフトバンクと比べると、その幅は小さい。第1四半期の解約率は全体が0.75%。ハンドセット(携帯電話端末)に絞ると、その数値は0.7%まで下がる。前年同期の0.7%より0.05ポイント上がってはいるものの、2社と比べるとその上がり方は緩やかだ。

 日本電信電話(NTT)の代表取締役社長、島田明氏は「SIM単体のところは(キャリアを)変えやすいこともあり、比較的流動性は高いと思うが、特段そこで何か特徴的なことがあるという認識ではない」と語る。ドコモは、低料金ブランドのirumoを2023年に始めたばかり。SIM単体契約への還元も、徐々に積み増している。サブブランドの歴史が長いKDDIやソフトバンクと比べ、SIM単体契約の母数が少ない可能性が高い。こうした点が、解約率の歯止めになっていることがうかがえる。

●端末単体への割引規制が契機か、各社様子見の状況

 SIM単体契約のキャッシュバックやポイント還元は以前から実施されており、2023年12月のガイドライン改正で大きく緩和されたわけでもない。では、なぜ突然解約率の数値に反映されるようになったのか。理由の1つには、端末単体販売の割引に制限がかかったことありそうだ。ガイドライン改正以前は、端末単体への割引がほぼ無制限に行われていた。比較的高額な端末を売却すれば、SIM単体契約へのキャッシュバックやポイント還元以上の“利益”を得られる。

 ガイドライン改正以前は、あえて利益供与の上限が2万円に制限されたSIM単体契約を選ぶ必要性が薄かったといえる。一方で、2023年12月の改正で端末単体への割引も含めて制限は4万円になり、結果として10万円を超えるようなハイエンドモデルにはある程度の価格がつくようになった。現状では、残価設定型のアップグレードプログラムを組み合わせて実質価格を抑えるのが主流だ。この場合、端末を返却せずに売却するとかえって支払いが増えてしまう恐れもある。相対的に、SIM単体契約のお得度が増したというわけだ。

 また、ドコモがirumoのSIM単体契約にdポイント還元を行っているように、獲得競争に参戦するプレイヤーの数も増えている。楽天モバイルも、紹介キャンペーンでMNPをする側に1万3000ポイントを付与。紹介したユーザーにも7000ポイントを与えている。もともと、家族を招待することが多かったキャンペーンだが、ここに「最強家族プログラム」が加わり、契約者数の獲得に拍車が掛かった。こうした動きも、SIM単体契約の流動性を高める要因の1つといえそうだ。

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