まるで亡き愛犬が目の前でよみがえるかのような感動 「Vision Pro」は異次元のデバイスだった
ITmedia Mobile / 2024年8月12日 6時5分
重たいか軽いかは人によって意見が異なるようだ。少しでも軽くなり、頭に何かを載せている感が減らなければ、万人への訴求は難しいだろう。メガネのような形状に進化するかどうかは確約できないが、そうなるとまた違った印象を持つことは間違いないはずだ。
バッテリーも353gと重たい。常に手に握っておく必要はないため、ポケットに入れるなり工夫した方がよい。
●コンテンツはまだ少ないが、亡き愛犬が立体的によみがえる
さて、肝心のコンテンツについてはどうだろうか。結論からいえばまだ少ないと感じる。iPhone/iPad向けに配信されているアプリの中には、Vision Proでも使えるようApp Storeで配信されているものもあるが、それでもiPhone/iPadに適した設計となっているため、それをそのまま空間に置かれたようなイメージのままでは、使い勝手はイマイチという印象だった。
iPad向けのアプリならまだ許せる範囲だが、特にiPhone向けの縦画面アプリだと、せっかく大きな空間を生かせるVision Proでも小さく感じる。表示領域ではない余った左右のスペースはもったいないし、いわずもがなiPhoneで使った方が快適だ。
では、Vision Pro向けコンテンツで、特に魅力を感じたものは何か。筆者はまず「空間ビデオ」を挙げたい。iPhone 15 Pro/Pro Maxで撮影した動画を、Vision Proで見れば立体的に感じるような仕掛けだ。
実はVision Pro発売のタイミングで愛犬が天国へ旅立った。iPhone 15 Pro Maxで事前に撮影しておいた愛犬の動画はVision Proで再生すると、遠くから近づいてくる様にとても臨場感があり、毛先にまでピントが合い、背景が自然にボケているため、いまは亡き愛犬がよみがえったかのような感動だった。
空間ビデオと聞いただけでは、どのような体験なのか、よく理解できなかったが、目の前に愛犬を「生き生きと映し出せ、貴重な体験や思い出を“追体験”できる」というAppleのうたい文言は本当だった。
追体験とは読み手が書物などに書かれている体験と同じような体験をするときに用いる言葉だが、空間ビデオの真価が「現実空間での体験をVision Proで追っかけ体験したときに発揮できる」ことから、AppleのNewsroomでは追体験と表現されているのだろう。
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