1. トップ
  2. 新着ニュース
  3. IT
  4. モバイル・アプリ

鉄道の「QRコード乗車券」導入で何が変わる? メリットと課題を整理する

ITmedia Mobile / 2024年8月13日 10時5分

 関東でも東武東上線の看板列車「TJライナー」の座席指定券がQRコード付きになり、池袋5番線の中間改札でチェックしている他、京成電鉄(以下、京成)は「Skyliner e-ticket」(訪日外国人専用割引チケット)や定期券Web予約サービス、JR東日本は「ネットde定期」を始めとした指定席券売機などでのQRコードによる各種の引き換えサービス、西武鉄道(以下、西武)は一部企画乗車券をオンライン上で発売しており、QRコードの読み取りなどをすることになっている。

●共用サーバを活用し、鉄道事業者間にまたがる乗車券の発券が容易に

 京成、JR東日本、西武によると、乗車券のQRコード化については、特定の鉄道事業者から提案を受けていないという。中長期的な観点において、磁気乗車券(磁気券)からの置き換えを各鉄道事業者間で検討していた中、設備投資状況、機器取替のタイミング、磁気乗車券の利用状況など、おのおの総合的に検討した結果、QRコードを活用することが有力となり、共同での発表に至った。

 先述した沖縄都市モノレール、北九州高速鉄道、スカイレールサービス、山万でQRコード乗車券の導入に踏み切れたのは、相互直通運転、各鉄道事業者間の連絡運輸がないことに尽きる。独自のシステムを導入できることから、利用客の負担や迷惑が掛からない。

 一方、関東地方は相互直通運転、各鉄道事業者間の連絡運輸が多く、独自のシステムが導入しづらい。QRコード乗車券を共同開発することで、共用のサーバで管理できることから、鉄道事業者間にまたがる乗車券の発券が容易にできる。また、QRコード乗車券は純粋な紙の他、スマートフォンによるデジタルきっぷを検討している模様で、さまざまな選択肢を用意する可能性がある。

●QRコード乗車券の課題 参画しない事業者との連絡をどうするか

 今回、鉄道8事業者のQRコード乗車券で気になるのは、東京メトロ、東京都交通局、相模鉄道(以下、相鉄)などが参画していないこと。相互直通運転、各鉄道事業者間の連絡運輸が多いことから、首都圏全ての鉄道事業者が参画すべきだ。交通系ICカード全盛とはいえ、券売機で乗車券を購入する人は今もいるのだから。

 特に他社線管理駅でQRコード乗車券が使えないのは、利便性の低下にもつながる。かつて、JR東日本のイオカード(自動改札機に直接投入して運賃を差し引く磁気式プリペイドカード)は、営団地下鉄(現・東京メトロ)管理駅の綾瀬では使用できない難点があった。

この記事に関連するニュース

トピックスRSS

ランキング

複数ページをまたぐ記事です

記事の最終ページでミッション達成してください