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鉄道の「QRコード乗車券」導入で何が変わる? メリットと課題を整理する

ITmedia Mobile / 2024年8月13日 10時5分

●乗車券以外でも純粋な用紙に戻る可能性

 QRコード乗車券の実用化すると、自動改札機に通さなくてもいい特急券などが磁気券から純粋な用紙に変わることも考えられる。

 京成は「スカイライナー」などのライナー券の今後について、「磁気乗車券から置き換える対象券種であると考えております。一方でシステム間の連携という観点も踏まえなければならないため、実現可能性など引き続き検討の上で見極めていく必要があると考えております」と話す。

 JR東日本は近距離用乗車券以外の乗車券等について、現状、磁気乗車券からの変更予定はないという。ただ、特急券については、「スマートフォンなどを用いて『えきねっと』で購入し利用いただくチケットレスサービスにおいて、2024年度下期以降にQRコードを使用した新たな乗車サービスを導入予定」だという。今後はチケットレス化をよりいっそう進めてゆく模様だ。

 西武は「窓口で発売する特急券、指定券はレシートタイプに順次変更しております。券売機で発売する特急券、指定券についても磁気券からの変更を検討しております」と述べており、将来は磁気券がなくなる可能性を秘めている。

●関西でもデジタル乗車券の本格化に取り組む

 関西に目を向けると、大阪に本社を構える私鉄、地下鉄などが「スルッとQRtto(クルット)」に参画し、2024年6月17日(月曜日)にスマートフォンを活用したQRコードによるデジタル乗車券のサービスを開始した。

 阪急電鉄(以下、阪急)も利用客にキャッシュレス、チケットレスで便利に乗車できる商品を提供するため、同日から2025年3月31日(月曜日)の期間限定で「阪急1dayパス」(大人1300円で小児用はない)を発売。スルッとQRttoのWebサイトに会員登録後、クレジットカードで購入できる。

 阪急によると、「阪急1dayパス」の発売に先立ち、全駅の自動改札機(少なくとも1コーナーに1台)にQRリーダーを設置したという。そこにスマートフォンのQRコードを読み込み、通過する仕組み。

 スマートフォンは多機能であることから、乗車中に電池切れの恐れがある。その場合、「ご乗車された区間の運賃を現金でお支払いいただきます」(阪急広報談)とのこと。利用前にフル充電しておきたいところだ。

 また、相互直通運転を行うOsaka Metro堺筋線などの他社線に乗り越す場合、「他社降車時に、駅係員へお申し出いただき、乗り越し分の運賃を現金にて精算いただくとともに、駅係員が提示する降車用のQRコードをお客さまのスマホ(スマートフォン)で読み取っていただきます」とのことで、他社線でも乗り越し精算に万全を期している。

 阪急によると、磁気式プリペイドカードの「阪急阪神1dayパス」(阪急および阪神電気鉄道全線が乗車できる1日乗車券)は、今後、デジタル乗車券への移行を検討する予定だという。

 移行するには交通系ICカードでの残高購入、現金購入など、クレジットカードを所持していない人にも購入できる態勢を整えること、駅構内や車内に充電環境を整備、充実させることが必要になる。

 実用化すると、関西の私鉄、地下鉄から磁気式プリペイドカードが消える可能性もありそうだ

 なお、関東地方の鉄道8事業者で取り組むQRコード乗車券の導入および、磁気券の置き換えについて、現時点では決まっていない。

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