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防水スマホの等級「IP68」を過信してはいけない理由 あなたのスマホは大丈夫?

ITmedia Mobile / 2024年9月15日 10時5分

 それでは水没に耐えられても、噴水流に耐えられないスマートフォンはあるのだろうか。 実は「Galaxy Z Fold6」をはじめとした折りたたみのスマートフォンがこれに該当する。この手のスマホのメインディスプレイはUTGという薄いガラスが採用されており、通常のスマートフォンの画面よりも柔らかく、爪先などで強く押すことも推奨されていない。ヒンジ部のメカ構造も強度を高めたとはいえ、デリケートだ。

 これは水没させて浸水こそしなくとも、シャワーなどの水流が理由で画面が破損する可能性を否定できないのだ。スマートフォンとしての機能を保てないのなら、IPX6以下の試験をパスしていないのも納得だ。折りたたみのディスプレイやヒンジがデリケートなので、防水といってもシャワーをかけることは控えた方がよさそうだ

 よく考えれば密閉構造を意味するIP6Xを取得していないのに「水没に耐える」というのも不思議な話だが、防塵と防水の試験は別口のため、このような表記の食い違いが起こる。

 それを踏まえて、一般的なスマートフォンを見てみよう。例えばXperia 1 VIではIP6Xなどの防塵等級に加え、防水等級はIPX5/IPX8といった形で6までの数字と7または8の数字が併記されていることが多い。この記載であれば、当該機種は「噴水流」と「水没」の両者に耐える防水性能であることを示している。

 スペックの記載によってはIP65/68というものもあるが、これも意味としては同じだ。重要なのは、防水性能は「6まで」の噴水流を意味する数字と「7か8」の水没を示す数字。これら2つがスペック表に記載されているか否かだ。

 また、防水に関しては原則「常温の水」で試験されており、これ以外の条件での正常な動作は保証できない。例えばサウナなどの高温多湿な環境はもちろん、人肌程度のお湯、海水、プールの水、アルコール消毒液、コーヒーやジュースといった水溶液をかけた場合の動作は保証できないのだ。これはIPX5/IPX8等級の防水性能を有していたとしても同様だ。

●IP規格だけじゃない 各種認証の取得や独自の試験を行うメーカーも

 防水等級のIPX8が「メーカーと使用者との取り決め」と異なる事情に加え、スマートフォンでは多くの場面で利用できることを付加価値とするものもある。そのため、メーカーによってはIP規格の範囲外のテストを行う場合もある。

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